小金井市役所日常生活用具給付認定陳情報告
1.陳情日時 2014年8月13日(水) 14時〜14時40分
2.陳情場所 小金井市役所第2庁舎 2階 福祉保健部 自立支援課
3.参加者 自立支援課
相談支援係 係長 高田 明良さん
悠声会 土田 義男 会長
高野 茂 理事
4.提出資料
- 悠声会パンフレット
- 喉頭摘出前後の喉頭構造の図
- プロヴォックスと人工鼻のイラスト
- オランダ喉摘者団体の無喉頭発声法の暦年推移表
- シャント法実施病院リスト 平成25年度版
- プロヴォックス等の価格表
- 日常生活用品を人工鼻認定自治体リスト 33ヶ所認定
- 横浜市の支給案内と本年10月からの変更連絡(適応範囲拡大)
- 八王子市の支給案内
- まつど市の支給案内
- 新聞・週刊誌の記事 数枚
- 女性の科学 記事
- がんサポート 会長の記事
- 追加資料 3種類の無喉頭発声法
5.陳情内容
- 土田会長より 提出資料に基づき下記説明
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- ガンなどの病気により喉頭全摘して色々な障害が生ずるがその内でやはり最大の障害が声が出なくなる事です。その為に無喉頭発声法としては 食道発声法、電気喉頭法、シャント発声法の3種類ありそれぞれにめりっとデメリットがある。 日本国内では食道発声教室が全国にあり発声出来る先輩患者が教えているが どうしても習得に時間が掛かり世間で通じる程度にまで出来る様になるのは3割程度、仕事が出来るまでは1割程度が実態です。"
電気喉頭はほとんどの方が直ぐに話せる様になるが やはり機械的音声ではやはり使い難いのが実態です。これは既に日常生活用具として認定されており支給されて居る事はご存知の取りです。それに比べてシャント発声法は90%以上の方が術後すぐに喋れる様になるのですが、どうしても費用が掛かり経済的負担が掛かる点がデメットです。
それで本日はそのシャント発声で患者本人が数日ごと付け替え得なければならない人工鼻(アドヒーシブとHMカセット)を日常生活用具に認定して頂きたくお願いに上がりました。なお、気管と食道の間を繋ぐ補装具(商品名プロヴォックス)は保健対象で医師が取り扱うので今回の陳情の対象ではありません。
- これまでの陳情で33の自治体さんに認定して頂いているいる人工鼻としてはカセット20個(¥10,500)とアドヒーシブ20個(¥12,600)の合計¥23,100の支給を認定して頂いております。実際にはこれ以外にも必要なリムーバーとかプレップとかラリーボタン等あります。横浜市と松戸市ではこれらの製品も月の限度額以内であれば利用可能になりましたので 今年からはその利用拡大についてもお願いしております。
大体どの自治体さんでもこの支給対象者は1〜2名がほとんどです。予算上ではそれほど多額の予算が必要となるとは思えせん。ただ今後手術をされる患者にとっては術後に喋れることにそれほど経済的負担がないとなれば手術にも積極的になれ 社会復帰して再度仕事をして納税出来るようになればと思っております。
各自治体の対象患者数ですが 大体の自治体は1〜2名です。これは シャント発声がまだまだ普及していないのが大きな理だと思います。ただし政令指定都市の横浜市は区が沢山あるので11名ですが区も11あり患者の居ない区もあるのでやはり対象患者数は1〜2名と言う所です。小金井市の場合は悠声会の会員は1名で 本日同行する予定でしたが 昨日入院したので本日は参加でしませんでした。
- 全国の病院でこのシャント発声を出来る病院としては昨年9月現在95ヶ所ですが 現在はこれよりも増えていると思います。これまで病院側としては補装具の保険補助が¥10,700円で現在使えるプロヴォックスの価格は¥44,000ですので赤字になることが大きな理由でした。それにいては3年前から悠声会が厚労省に陳情して今年4月から保険点数の見直しが決定してこれまでのものは一般型として現在の物は長期留置型として保険点数を¥28,000と増額しましたのでその他の保険を合わせれば病院側に赤字にはならない様になったのが大きな理由です。なお、3年前まで輸入されていたブロムシンガーとグローニンゲン社の製品は輸入業者が輸入を止めて現在日本で入手可能なシャントの補装具としてはプロヴォックスのみが実態です。
なお、前衆議院議員の与謝野薫さんが悠声会の賛助会員となって頂いており 保険点数見直しの時には応援して頂きました。
- オランダの無喉頭発声法の1976年から2003年の推移
現在では欧米では喉頭全摘手術をした後にシャント発声で声を取り戻してから退院が一般的になっております。日本ではまだ病院は癌を取り除くだけでその後の声の回復は患者自身の問題との考え方が多いのが現実です。これまではシャントについては医師は知っていても患者へは病院が扱っていないので進んで説明などはしなく、患者団体の銀鈴会なども先輩は海外交流で知ってはいても進んで説明等しなかったので普及が遅れた大きな理由です。私自身は2003年に手術をして3年後にロンドンに交流会で皆さんべらべら喋るのでどうしてか分からず帰国後インターネットで調べてやっと見つけたのです。
昨年日喉摘者団体の主要なメンバーの銀鈴会と話し合いをして一緒にならないかとの話もありましたが 既にNOP法人として活動しており 夫々別々に活動することになった。それで日喉連としてもシャ教室を始めるとのことでどんどんやって欲しいとしたので少しは普及するのではと思います。
6.質疑応答
- 高田さん
- 送付頂いた資料を読ませて頂きました。その中でも週刊朝日の記事が分かり易かったです。それで確認したいのですが、プロテーゼ(補装具)は医療の保険が掛かり医療の方で今回の陳情は人工鼻のこちらを日常生活用具に認定との依頼ですよね。
- 土田会長
- その通りです。
- 高田さん
- それで月に20個というのはどのような理由なのでしょうか?
- 土田会長
- 患者がシャント発声で喋るにはこの人工鼻(アドヒーシブとカセット)を月平均20個位あれば 大体間に合うと言う数量です。もしこれ以上使う時は個人負担と考えております。但し初心者はやはり慣れていないので 20個よりは多いのが実態です。アドヒーシブという接着剤は剥がれると喋れなくなるのでやはり出掛ける時は大体貼り換えるのが普通です。平均して20個あればほぼ間に合うと言う数量です。
それと当初はこのアドヒーシブとカセットについてだけでしたが横浜市が昨年からその適用範囲を拡大して頂きラリーボタン等も月月額の範囲内では認めて頂いております。山梨県はも利用拡大しておりこの8月から松戸市も認め頂きました。町田市は来年適用を検討して頂いております。
- 高田さん
- 確かに日常生活用具というのは排泄用具等でも付属品が多くて各自治体ごとで違いますが付属品を認めているのも事実です。製品自体がだんだん良くなることもあるので自立生活支援法で大体のガイドラインはあるもの見直しが必要であることは役所としても理解しております。ところで悠声会さんの現在の会員さんはどのくらいの人数なのでしょうか?
- 土田会長
- 今現在 全国で160名ほどです。
- 高田さん
- 地域生活用具は国が半分、都が四分の一、それ以外が自治体とはっきりと予算の枠がありますが、日常生活用具に関しては一定の範囲を超えた部分は全額各自治体の負担なので 財政の苦しい小金井市では苦しい点が有ります。やはり八王子市とか町田市は規模が大きな自治体ですのでその辺りは事情が少し違います。
ご希望のご趣旨はよく分かりましたので課長にも挙げて検討させて頂きます。ご存じの通り来年度予算は9〜10月に予算要求してだんだん決まって行きますので検討させて頂きますが 今どうなるかはお答えできかねます。
- 土田会長
- その辺りは承知しておりますので 我々も9月初めまでの7〜8月に精力的に陳情を各自治体にお願いしております。今週日曜に月例会がありましたが その際にE-テレのデレクターの方が見学に来られて喉頭摘出後の患者が声を取り戻すことを来月中旬に番組をしたいとのことでしたので ひょっとすると来月中旬には放映されるかもしれません。それと先日新潟に患者交流会に行った時に現在新潟大学で喉頭摘出者の女性の声を取り戻す装置を開発しているがまだ大き過ぎて半分以下にする必要があると。でもそうやっていろいろと技術が進歩して開発されるのは我々にとって楽しみです。
今後の患者さんが全摘手術をしても術後に声を取り戻せ しかも経済的に余り負担にならないと分かれば手術に対してもその後の社会復帰にも大いに役立つと思いますので 是非とも来年度予算に本件を認めて頂く様にお願いします。
以上