第１回 シャント発声カウンセリング会実施報告書（岡山）
１．開催日時 ２０１４年１０月２５日（土） １３時～１５時００分
２．開催場所 岡山市北区桑田町３－３０
岡山シティホテル桑田町 ３階 会議室３０１・３０２号室
３．参加者 合計３３名
言語聴覚士 ７名、悠声会関西支部 ２名、カウンセリング希望者 ２０名
アトスメディカル名優スタッフ４名
４．開催内容
＜アトスメディカル名優株式会社 金﨑先生＞
- 〇
- シャント発声とリハビリについて（適正な声を確保する注目ポイント）
- 気管孔の管理（清潔なガーゼで付着した痰を取り除く）
- 呼気の供給
- ボイスプロテーゼの管理（ブラシ・フラッシュを使用してこまめな清掃）
- 音源（咽頭粘膜振動で発声しているので各人で顔の向き等を変えてより良い適正角度をつかむこと。遊離空腸の方は、ネックバンドが有効。）
- 声道（大きく口を動かし会話する。）
- 〇
- HMEの効用
- 鼻の代わりをして肺を守る。（発声以外の効果）
- 気管孔を衛生的かつ容易に開閉できる。
- 〇
- 新型プロヴォックスVegaの紹介
- ディスボーザフルタイプで押し込むだけで素早くプロヴォックスを交換できる。
- Provox2の後継品として本体構造１０か所を改善した商品。
（大きい内径でより少ない呼気で発声が可能になった。）
- 病院ごとに登録が必要です。
５．参加者からの感想
- ①
- 兵庫県神戸市から参加されたY様（男性６５歳）
以前、神戸大学医学部でAシャント法を施術して頂きました。
コーヒーを飲むと少しずつ肌着が濡れてくるので外食が辛く思い切ってプロヴォックス施術を兵庫県がんセンターで相談しました。
岡山カウンセリング会前日に兵庫県がんセンターで第１号のプロヴォックス施術です。Vegaを使用しています。
新型Vegaを留置しコーヒーを飲んでも漏れはありません。
「カウンセリング会終了後もホテル喫茶店でコーヒーを飲んで新幹線で帰宅します。」「外出先でお友達と気を使わずに飲食できると希望が湧いてきます。」と嬉しそうに会話されていました。
- ②
- 岡山市から参加されたご夫婦様
今年４月に岡山大学病院で喉摘手術をうけた後、プロヴォックスを施術しました。岡山大学病院では喉摘手術前から「声を失っても取り戻すプログラム（プロヴォックス）をあらかじめ担当医から説明を受けていたので不安はありませんでした。」
病院では、「お風呂に入る時にはタオルを首に巻いて入浴してください。」と指示されていましたが、今回カウンセリング会に参加して「シャワーエイドの存在を教わり安心して入浴ができます。」と喜んでおられました。
今回、孫娘を連れて車で参加しました。温暖な岡山でピオーネ狩りや倉敷の美観地区を楽しみながら多くの言語聴覚士の先生方や同じ悩みを共有する岡山の皆様と出会えたことがうれしいです。
私が約４年前に喉摘手術を受けたときは、施術病院で１０万円位の吸引器・ネブライザー器の購入を勧めるだけでそれ以外は何も教えてくれなかったことを覚えています。
外出時は、重い吸引器を常時持ち歩いていたことを考えると岡山大学病院の「声を取り戻す」プログラムは癌の施術をするだけではなく失った声を取り戻すことまで真剣に考えてくれる医療体制を確立している考え方は喉摘者患者には大きな前進です。
これからも喉摘者と家族がより良い生活が楽しめ、且つ社会復帰できるための情報交換を推進したいと考えています。
悠声会 関西支部
支部長 伊藤文博
