悠声会 スウェーデン研修旅行報告

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悠声会 スウェーデン研修旅行報告
「アトスメディカル本社訪問と患者会(MHCF)との交流」

  1. 実施日時 平成25年6月30日〜7月6日
  2. 研修国   スウェーデン・デンマーク
  3. 参加者   役員4名 土田会長 岩瀬副会長 口石理事 若月監事
    会員5名 江上啓造 加納善夫 千葉治郎 長瀬 健 松村重雄
    賛助会員2名  板垣崇稔 山根貫志             合計11名

6月30日
 成田発11:40スカンジナビア航空984便でデンマークコペンハーゲン空港へ11時間のフライト、現地時間16:05に到着

7月1日
 コペンハーゲンより陸路オーレスン・リンク(海底トンネルと橋梁部分からなる東京湾アクアラインのような構造、鉄道も併用)を通り国境ゲートも税関もなくスウェーデンに1時間ほどでホービー(Hörby)というスウェーデン南部の町に到着、アトスメディカル本社を訪問、本社正門にスウェーデン国旗、日本国旗、アトス社社旗が掲揚してありアトス社の歓迎の気持ちが嬉しかった

 本社到着後、Tommy Hedberg CEO の歓迎の言葉と、Joakim Almgren 副社長よりアトス社の概要説明がありその後工場見学を行った、工場は非常にクリーンに保たれ整然としていた、見学後アトス社製品の説明があり以下の日本では未承認の物の説明を受けた

  1. プロボックス ベガ
    プロボックス2(現在我々が現在使用しているもの)より内径が太く空気の通りが良くなる、カンジタ菌への抗性を向上させ交換頻度を伸ばす、装着がより簡単になる
  2. Extra HME モイスト フロー
    今までのHMEをより効率を向上させたもの(加湿 流量)
  3. The HME Provox Micron
    HMEのフィルターでウイルスの通過を制限しパンデミック時等の対応(抗菌マスクの様なもの形状は通常のHMEとは異なる)
  4. スタビリ ベース
    フレキシダームの内側にエクストラベースが付いているような形状、着装時はがすフィルムが3分割に分かれ装着時の失敗が少ない、今までのベースプレートより長時間使用可能(接着剤を改良)

以上の製品は現在、アトスメディカル名優で順次、厚生労働省に申請中と申請準備中の由


南部患者会の皆様とアトスメディカル社幹部との記念撮影

その後、患者団体MHCF(口腔・咽喉頭関連がん患者連合)の南部地区団体との交流会を行った、会長のKjell Andersson(シェル アンダーソン)氏からの説明

  1. 活動資金は本部からの助成金、自治体からの助成金で行っている
  2. 患者会は3か月に1回、また毎年海外研修を主に欧州諸国で実施している、患者会においてはST等によるカウンセリングなどは行わず、純粋に会員同士が情報交換したり会話を楽しむ場と位置付けている
  3. 喉頭、下咽頭がんで通院する病院は在住地域により決められている、喉摘者の95%はシャント発声
  4. 病院と患者会の協力体制がしっかりしていて、新しい患者が喉頭摘出を受ける時、その病院に通院しているプロボックス使用患者が病院に行って患者と面会し、術前の情報提供を行うことで不安を取り除き術後も同様に行う、スウェーデンではすべての患者が同様のケア・サポートを受ける権利があるという考え方が徹底しているので、病院側もそういう体制を進んで構築する
  5. 喉摘者の男女割合は10年前は9:1程だったが今は6:4に近い、お酒、喫煙が関係していると思われる
  6. 日本では空腸移植が多いのだがと言う質問にスウェーデンでは皮膚管移植(大胸筋)が大半とのこと

終了後、コペンハーゲンへ陸路帰る

7月2日
 オーデンセ等観光、デンマークは面積は日本の九州ぐらいで人工560万 農業、酪農、海運、漁業(ニシン、タラ)等が盛んな国

7月3日
 午前コペンハーゲン市内観光、午後コペンハーゲンから空路スウェーデン ストックホルムへ移動、スウェーデンは面積は日本より少し広いが人口は1/12の925万、寒冷地が多く農業より工業が盛んで、通信機器のエリクソン、自動車のサーブ、ボルボ、家具のイケア、衣料のH&M等は日本でも有名、ストックホルムではノーベル賞の授賞式も行われる

7月4日
 ストックホルムのMTCF(口腔・咽喉頭関連がん患者連合)本部を訪問ワイリン・シリンダ代表よりMTCFの説明を受ける

  1. 設立当初は喉頭摘出者の連合でしたが現在は口腔がん、咽喉頭がん患者の連合
  2. 主な活動骨子として
    • 有意義な生活を取り戻すためのサポート活動
    • リハビリテーションプログラムや各種研修旅行の企画、病気の治療・ケア・リハビリ・社会保障が平等にもたらせることを願った活動
    • 医療従事者との交流
    • 各地区がんセンター、がん協会との交流
    • 各国の類似団体との交流
    • 活動内容報告物の出版(ニュースレター、文献、レポートなど)
  3. 全国に11の支部を持っている
  4. 主な活動原資
    本部
    • 政府からの資金援助
    • 会員からの会費
    • 患者向け投資ファンドからの資金援助
    • 賛助会員からの会費
    支部
    • 本部からの資金援助
    • 自治体からの助成金
      代表の説明後、各自自己紹介しリラックスした雰囲気で座談会を行った


MHCF訪問時の記念撮影

7月5日
ストックホルム発12:30コペンハーゲン経由 成田着7月6日9:35かなりのハードスケジュールでしたが全員無事に研修旅行を終了しました

土田義男 岩瀬俊男