韓国研修旅行

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韓国研修旅行報告

悠声会会長 土田義男

 

 悠声会発足当時から考えていたことは、年に一回の海外研修旅行でした。今年は、隣国、韓国研修旅行で、423日、成田空港に通訳の金さんを含む8名が集合し、1355分出発、incheon空港に1620分到着。ギュウギュウ詰ジャンボタクシーでホテルに向かい18時頃ホテルにチェックイン、先発した言語聴覚士の亀井先生および綾ちゃん2名と合流し、市内の「又来屋(焼肉料理)」で本格的プルコギを味わい、韓国研修初日を祝った。

翌、24日はバス観光で、他の数組の日本人客と一緒に38度線に最も近い南北分断の地、「非武装地帯」に向かった。美しい田園風景の中で、歩哨が北朝鮮を随所で見張っている。朝鮮戦争は承知していたが、直接その光景を目前にして、鳥肌が立つ思いがした。

ガイドの説明によると、韓国と北朝鮮の境界線を挟んで双方に2キロ、計4キロの空間が誰も入れない「非武装地帯」であり、いかなる人の進入も許されていないため、珍しい鳥獣が自然状態で棲息し、世界的にも貴重な地域になっているとのこと。

北朝鮮軍による南への侵入作戦用地下トンネル320m急坂をようやく歩行した末、北朝鮮軍の進入を防ぐトンネル内遮蔽壁を実見し、その後、展望台に立ち寄り、材木伐採により禿山ばかりの北朝鮮を遠望した後、ソウル市内に戻りツアー観光を解散した。

昼食後は「西大門刑務所歴史観」を訪れた。韓民族の受難と苦痛を象徴した刑務所の保存博物館であり、通常の観光ルートでは訪れることが少ないスポットであったので、貴重な体験となった。

25日、いよいよ主目的である韓国との患者交流会である。韓国延世大学江南セブランス病院、カフェテリアが会場であった。

韓国ATOS社代理店の李社長の入念な準備のお陰で、金会長の他16名の韓国側参加者が、私達を歓迎してくれた。「隣国からの友人の訪問を心から歓迎致します。同病患者として交流ができ、本当に嬉しいです。これからもちょくちょく交流会を開催したいですし、韓国から日本に出掛けることができたならなお良いと思います。」という、金会長の歓迎の辞が特に嬉しかった。

株式会社名優の山根社長のご友人、金基英(キムキヨン)さんが通訳として同席されたおかげで、日韓相互の意思疎通が自在にとれ、笑い渦巻く闊達な交流ができたことを、改めて金さんに感謝したい。金さんは韓国や日本の民話の「語り部」としてその分野ではよく知られた方で、時に落語家との共演なども行っていると聞く。

 延世大学耳鼻咽喉科 崔興植(チョイ、通訳のキムさんから聞いた漢字)教授からも会頭に歓迎の挨拶を頂き、韓国、日本、台湾の耳鼻咽喉科教授同士が集う情報交換の会があることなどをお話しいただいた。外来診察の合間を縫って、お忙しいところ、時間を作ってくださったことが本当に有難かった。

 悠声会からは、金会長からの暖かいお言葉に感謝することから会長である私が挨拶を始めた。隣国であるから今後ももっと交流を続けてゆきたいこと、悠声会設立の経緯、規模、悠声会ホームページが果たす役割、20106月にNPO法人を取得したこと、毎年1回海外研修旅行を実施しており、昨年にはオランダに出かけたことなどを説明した後、他の日本側参加者による自己紹介と挨拶を続けてもらった。

 韓国側患者さんからは、日本の喉摘者はなぜ咳き込みが少ないのか(韓国の方々はHMEを装着している方が少なかった)、シャント発声にもかかわらず手を使わずに話ができるのはなぜか(韓国ではフリーハンズを使用している人が3名しかいない)など、さまざまな質問があり、時間は瞬く間に過ぎてしまった。

 最後に、韓国の参加者を代表し、金会長から、訪問のお礼、交流会の継続、日本訪問の実現についての締め括りのお話があって、交流会は終了しました。

 大変良い雰囲気の中に有意義な交流会が出来て、遠からず、再訪したいという熱い思いが湧きあがる。今回、交流会前夜、ホテルの一室で、キムキヨンさんの「語り」の素晴らしい演技を拝聴できたことも忘れ難い思い出となった。

以上