第10回カウンセリング会(大阪)の実施報告
1.開催日時 平成26年7月20日(日)
2.開 催 場 大阪市北区芝田2−7−18 オ―エックス梅田ビル
CIVI北梅田ビル新館5F 会議室501号室
3.参 加 者 合計40名
医師1名、言語聴覚士8名、悠声会東京本部2名(土田会長、若月さん)、
関西支部会員12名、愛知県から参加者4名(安倍さん、宮川さん、清水さん)、
カウンセリング希望者5名、見学者3名、(神鈴会会長含む)、
アトスメディカル名優スタッフ5名 総計40名
4.開催内容
- ○ 土田会長 @
- 「人口鼻」の日常生活用具への認定を要望する陳情について
平成26年8月5日〜東大阪市・八尾市
平成26年8月6日〜大阪市・神戸市
4市の陳情活動を予定しています。
- A
- 東海地区(仮称名古屋支部)の支部立ち上げ要望について
東海地区には、約140名シャント発声の方がおられます。
シャント発声の家族等の交流場を設立してほしい希望が多く今回、愛知県から3名の有志が参加してくれました。
- ○ アトスメディカル
- 板垣社長 @
- 岐阜市議会での田中市議による「人口鼻の日常生活用具認定に関する質問と福祉部長の回答」をDVDで紹介。
- A
- 「よりよいシャント発声のために」講演について
(要旨) 、福島先生らの「日本のおいて、これからシャント発声法を普及させる」事での対談が掲載されてます。(関西支部に一部贈呈します。会合時に回覧します。)
- B
- 6月12日、13日東京ファションタウンビルホールで開催された頭頸部癌学会で元衆議院議員の与謝野馨先生がシャント発声法について特別講演されました。DVDで紹介。
- ○ 日本大学板橋病院
- 亀井先生 @
- アンケート質問(協力要請)
「喉頭全摘出に関するアンケート調査」
- A
- 「よりよいシャント発声のために」講演について
(要旨)
・ HMEカセットは就寝時も気管孔保護のため付けた方が良い。
・ フレキシーダムは各自にあったものを使用すること。
・ 食後プロボックスのブラシがけは必ずすること。
・ 痰が付着するとかぶれの原因となるので、ティッシュ等で除去すること。
・ アドヒーシブは正しい方法で装着できているか。
-
- パソコン、プロジェクターを使用して解りやすく説明して頂きました。
- ○ 大阪市立総合医療センター
耳鼻咽喉科 天津久郎医師
「喉頭摘出後に注意すべきこと」について講演
(要旨)
- 気管孔の管理について
乾燥性出血気管支炎の症状が出る時があるので加湿器で加湿すること。
また、エプロンガーゼをして気管孔を乾燥しないよう注意すること。
- 健康な日々を過ごして頂くために心掛けについて
頭頸部癌の最大のリスクは喫煙、アルコールの過剰摂取である。
煙草はやめる。お酒は控えめにする。
PET・CT等の定期検査を必ず受診すること。
- 重複癌の実例について
プロジェクターで重複癌の写真を写しながら丁寧に解りやすく説明された。
- 喉摘者用救急カードの活用について
-
<参加者からの感想>
- 現在通院している病院では得ることのできない知識です。
- 喉摘手術後のアフターケアーがないので貴重な講演でした。
- 看護師は、「何かあったら病院に電話してね。」というだけで具体的な事を教えてくれない。
参加者全員が熱心にメモを取り聞き入っていました。
※ 補足ですが私は、気管孔内の痰が詰まり緊急搬送されました。その時の体験談を具体的に紹介します。
喉摘手術後3か月目、痰が気管孔内で塊状になり呼吸困難状態になりました。自宅玄関内で苦しみながらのたうちまわりながら声がでないので壁をたたき家族に知らせるが伝わらず、たまたま出勤準備で二階から降りてきた妻が異常に気がつき119番通報してくれました。
駆け付けた救急隊員は、ストレッチャで救急車内に搬送して応急措置をしてくれました。救急隊員が、酸素マスクを口に着装するので同乗した妻が「主人は気管孔で息をしていますので気管孔に酸素マスクを付け替えてくだい。」と説明する。
到着した某大学病院の救急救命センターの若い看護師が、喉元に装着した酸素マスクに口に付け直すので再度、妻が「気管孔で息をしているので気管孔に付け直してください。」と訴えた。
後で看護師が、「教科書で喉摘者のことは学びましたが、実際に取扱うのは初めてです。申し訳ありません。」とおっしゃいました。
あの時以来、私は、「喉摘者用緊急カード」に緊急連絡先、主治医、かかりつけ病院を記載して身体障害者手帳内に入れて持ち歩いています。(この時は、天津先生が救急救命センター医師と電話でやり取りして下さいました。)
活用することがないことを希望しますが、万が一、独りで出かけた時に緊急事態が発生すれば大変役立つカードです。
- 〇 愛知県から参加者(安倍ご夫妻、宮川様、神田様)のご意見
- 県の癌センターで喉摘手術を受けても術後のシャント発声のフォーローがない
状態です。東海地区に支部を立ち上げて病気で声帯を失った本人やご家族の苦しさ・生活の不便さを共有して話し合い、解決策を考え生活の質を向上させ、社会貢献していく会としてまた将来、喉摘手術を受けられる患者様とご家族に「声を取り戻せるシャント発声」の情報発信と地元病院の医師・言語聴覚士先生・患者・家族との情報交流場を作りたいとのご意見です。
- 関西支部は、東海地区(仮称名古屋支部)設立に必要な会則・運営等のノウハウを可能な限り提供します。
- 〇 愛知県から参加者(安倍ご夫妻、宮川様、神田様)のご意見
- @
- 某県から親子で参加されたI様
主人が、某県のK病院で喉摘手術を受け現在、発声困難で入院中ですが、主治医がプロボックスに否定的(プロボックスの知識・手術技術がない、研究する意志がない等)で腹式発声を勧める。
同病医院でシャント発声法やプロボックスの情報を教えてくれない。
今回、カウンセリング会に参加して
※ 同じ県内にプロボックスの施術をしてくれる病院があることを知りました。
※ 天津医師や亀井先生の講演を聞いて安心しました。
※ 声を取り戻せる希望が湧いてきました。
- A
- 東京会から参加されました若月様
今回初めて関西支部のカウンセリング会に参加しました。
私は、フリーハンズトークでしゃべるようになりました。色々な人と会話できるのが幸せです。素晴らし天津医師のお話や亀井先生のお話をきけて東京からきた値打ちがありました。
休日にも関わらずカウンセリング会に参加して頂きました大阪市立総合医療センター天津医師、日本大学板橋病院亀井先生、香川大学医学部附属病院の福田先生(博士)、岡山大学病医院古西先生、藤田先生、倉敷中央病院丸山先生、大阪府立成人病センター甲斐先生・橋田先生、喜多先生多くの言語聴覚士の先生に感謝いたします。ありがとうございました。
まだまだ、シャント発声を積極的に紹介する病院は少ないですが、声を取り戻すという面ではシャント発声法が一番いい手段だと考えています。
プロボックスの施術する医師が少ないことや術後のサポートをする言語聴覚士や看護師が少ないことも障害になっているとのお話もお聞きします。
将来、先生方が先駆者となってシャント発声にご協力を頂けることをお願いします。
各支部を立ち上げる作業は、時間と根気がいります。同じ目標を持ち共に歩んでいく努力が必要です。各人が、色々な考え方を持っていますがよく話し合って進んでいけば夢は叶います。
東海地区で声を失って絶望の淵で生活されている方々が声を取り戻して社会復帰し家族と楽しい会話できるきっかけを作れる会が設立すればうれしいですね。
関西支部
支部長 伊藤文博
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