大阪カウンセリングの会

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第12回カウンセリング会(大阪)の実施報告

1.開催日時 平成27年3月15日(日)13:00〜17:00

2.開 催 場  大阪市東淀川区東中島1−18−5
         新大阪丸ビル本館   会議室500・505号室

3.参 加 者  合計34名
         言語聴覚士4名(金崎先生含む)、悠声会東京2名(岩瀬副会長、鈴木理事)、
         悠声会東海支部2名(安倍様ご夫婦)、会員13名、カウンセリング会参加者8名、
         アトスメディカル名優スタッフ6名

4.開催内容

  • <岩瀬副会長>
    悠声会の会員数が約200名になり、東京都に対して認定NPO法人に格上げする方向で活動を継続しています。
  • <鈴木理事>
    私は大阪出身で大阪になじみがあります。昨年の8月に大阪市役所に土田会長、竹下様、上口様と喉頭摘出者人工鼻等障害者日常用具認定申請を行いました。
    今年3月に大阪市議会の民生委員会で取り上げられたことを喜んでいます。
  • <アトスニュースと新製品の報告、板垣社長・大屋マネージャー>
    @
    元衆議院議員・与謝野馨氏特別講演(2014年12月14日開催)の動画を弊社ホームページから近日公開予定中です。
    A
    新製品のご案内について
    ■ エクストラHME
     より鼻に近い加温加湿機能効果をもつ製品です。
    ■ エキストラフロ
     HME〜粗めの発泡体で呼吸抵抗が小さく、運動中のご使用に向いています。
    ■ フリーフレキシボイス
     これまでのプロヴォフリーハンズHMEと同様に、両手を使う作業や電話の際に便利なハンズフリーモードと、呼吸を妨げず激しい運動時の役立つ、弁が閉じないロックモードがあり、必要の応じて簡単に切り替えることができます。
     また、開閉部を手で塞いで発声することも可能になったので、ハンズフリーモードでは音量が足りないという場面などで便利です。   (アトス通信から抜粋)

5.東海地区安部代表からのお知らせについて(報告)

@
第1回東海地区カウンセリング会及び患者会立ち上げ会合の結果について
東海地区患者会立ち上げの決議案は、悠声会東海支部(仮称)として立ち上げる議案は、投票総数18票で賛成〜11票を得て可決されました。
よって、
悠声会東海支部(仮称)としてスタートします。
東海地区の地域性を生かし同地区の喉摘医療の発展と同地区の喉摘者ご本人とご家族の心がつながり、そして新しい人との出会いが広がり、希望に満ち溢れた生活が過ごせる情報交換の場として活動されることを期待します。
第2回目のカウンセリング会は、4月に開催予定です。
(ご支援とご協力を宜しくお願します。)

6.悠声会関西支部からのお知らせについて(4事項報告)

@ 喉摘者安心サポート(仮称)システム導入について

 大阪市立総合医療センターにおいて、同病院耳鼻咽喉科天津医師の協力を得て喉摘手術予定者と喉摘者(シャント発声等)及び医師との三者面談を実施しております。
 以前は、患者同士を会わせることは、医療業界のタブー化(個人情報の縛り等)している傾向がありましたが、医師が将来の医療行為等に必要と判断すれば患者等の同意を得て三者面談を実施し、喉摘者の経験談や生活状況等を面談と会話等を通じてがん治療及び失声の対する恐怖感・絶望感・落胆・不安感等を和らげる心理面でのサポート体制を構築する手法です。

上記のシステムを全国に先駆けて発信し、喉摘医療の模範となることを目指します。

すでに、スウェーデンにおいては、喉摘予定者の患者様プロフィール(年代、性別、単純喉摘、遊離空腸再建、職業等)にあわせて患者会の中から似たような境遇の方を選択し、術前のメンターとして心理面でサポートを実施しています。
この制度で患者様とご家族は、大変安心され勇気づけられるそうです。

<市喉会との連携活動>
 大阪市立大学医学部付属病院耳鼻咽喉科(13階)設置の市喉会森村会長と天津医師(大阪市立総合医療センター)及び悠声会関西支部伊藤支部長との会合で患者様とご家族が安心して喉摘手術が受けられるために、失声による絶望感や落胆を抱くのではなく、失声したことで得られる新しい人との出会いや考え方を希望につなげる喉摘者安心サポート体制を確立する活動を進めることになりました。

<市喉会でのシャント発声教室開設等>

  • 同教室でシャント発声教室を開設しました。現在、3名がシャント発声の勉学に励んでおられます。
  • 同病院施術等関係なく代用発声に興味のある方を受け入れ、腹式発声・人工喉頭発声・シャント発声・天津式シャント発声等すべての代用発声が学べる情報交換の場としてすべての人に平等に情報を提供することしました。
  • 市喉会は、毎週土曜日午後1時〜3時の間、同病院13階カンファレンス室を同病院の協力を得て運営している。
  • 今後、神戸大学医学部耳鼻咽喉科の発声教室である神鈴会(和田会長)及び大阪医科大学病院耳鼻咽喉科の発声教室である高槻喉友会(T会長)に声をかけ喉摘者団体の横つながりを強化して喉摘医療情報や代用発声(音声学)の情報を共有できる関係を日本の喉摘医療のおける模範体制として構築したいと考えています。

A 大阪市役所に対する喉頭摘出者用人工鼻等の障害者日常生活用具認定申請の緯緯

  昨年8月に土田会長、鈴木理事、竹下様、上口様で大阪市役所に上記の申請と嘆願等を実施していました。(平成26年8月18日付)

  • 今年3月から大阪市議会で開催されている平成27年度予算審議の機会をとらえて、3月4日の民生保健委員会におきましてK党N市会議員から福祉局障がい支援 西端課長に対して質問をいたしました。
  • 同課長からは、平成27年度中の給付対象者に向けて検討するとの前向きな答弁を頂きました。(悠声会関西支部は、継続注視していく方針です。)

B 大阪医療技術学園専門学校言語聴覚士学科野講師の視察について

 野先生は、同校の言語聴覚士学科専任講師をされています。

  • <悠声会関西支部から同校へ要望事項>
    • シャント発声を必須科目に格上げしてほしい。
    • コリーナ博士のカウンセリング会に学生を参加させてほしい。
      (参加した学生には単位を付与してほしい。)との要望を致しました。
  • <野先生から悠声会関西支部会員へ>
    • 学校長に本日参加して得た情報と同会の要望を上申します。
    • 訓練すればもっといい声を確保できると感じました。
  • ■ 今、日本中にシャント発声が拡散し始めています。
  • 若い言語聴覚士を育成し、医療従事者の裾野を広げる必要性があります。
    悠声会関西支部は、代用発声(音声学)を学びたい学生を患者会サイドの心理面や病状を協力医師と連携して医学的知識、症例、体験談、患者とその家族の気持ち等を分かりやすく教授し共に成長し、言語聴覚士育成のお手伝いができればと考えています。

C コリーナ先生の来阪について

  • 日 時 : 4月20日(月) 9:30〜12:00、 14:00〜17:00
  • 場 所 : 大阪市東淀川区東中島1−18−5 新大阪丸ビル本館510、511
         JR新大阪駅東口から南へ徒歩2分。予約制です。(事前申し込み必要)
  •       FAX  03-5540-0890  フリーダイヤル0120−937−432  
                        (アトスメディカル名優株式会社・大阪カウンセリング会お申込み)

7.悠声会関西支部各会員の日常談話について(抜粋)

<村松副支部長>
 プロを留置して約5年になります。2か月前から肉芽ができて癌研有明病院の福島先生に写真を撮りメールで対処方法を指導してもらっています。
 プロヴォックスが短いと声をだすのには有利ですが肉芽ができやすいのでワンランク長いタイプを留置しました。

<M様・男性60代>
 リタイアしてから入学した市民大学を今年3月末に卒業します。
4月から大学院へ進学します。体を鍛えてマッチョになりました。
K様は、定年退職後、生き生きとした生活を過ごされています。

<村松副支部長>
 約5年前にプロボォックスを留置しました。
退職後、介護関係の仕事に興味を持ち、日本福祉大学の編入試験を受けて今年3月末に卒業します。
 在学中で一番困ったことは、若い学生とのグループ対談でしたが、下手でもしゃべることで意志が通じ合い楽しい学生生活を過ごせました。
 今では、フリーハンズで会話できます。

  • <F様・男性60代>
     私は、平成24年に大阪府立成人病センターで喉頭摘出手術を受けて腹式発声・人工喉頭発声を訓練しましたが、うまくいかずに困っていました。
    平成26年4月にプロボォックスを留置して会話できるようになりました。
     同病院でシャント発声が良いことを医療関係者等にお話すると費用が高いと口々に言われますが、どのくらいの費用負担が必要ですか?(質問)
  • (回答・鈴木理事)
     プロボォックスの健康保険適用は、3年前は、適用金が10,000円程度でしたが、昨年度厚生労働省で人工喉頭の保険点数見直し決議が採決されて適用金が、 28,000円程度認められました。さらに在宅管理料等の運用で軽減する病院等もあります。
  • <実例>
    • 3年前は、45,000円−10,000円=35,000円の実費用
      が、
    • 現在は、 45,000円―28,000円=17,000円(仮定実費用価格)
    となり、さらに在宅管理料等を活用して軽減措置等工夫をしている地域もあります。
     行政機関に対して陳情活動を前進させ個人負担の軽減に努めたいと考えています。

8.喉摘者の生活情報(臭覚を日常生活の中でトレーニングしませんか。)

  • ◎ 私の臭覚機能回復訓練法について(関西支部長 伊藤)
     声帯を手術で失うと永久気管孔を喉に開けて呼吸するために呼吸ルートが以前の口・鼻ルートと違うために鼻の奥にある臭覚センサーの機能が低下します。
     匂いに対して鈍感になることは、日常生活の中でガス漏れや火災の初期段階を察知しにくくなり、ご本人の身体、生命に重大な危険を及ぼす恐れがあります。この問題を少しでも解消する方法の一例を紹介します。
    • 〇 朝食時
    • 私は、朝食時にコーヒー豆をたてて飲むように心がけています。
      近くに喫茶店がある方はお店で香りを楽しみながらモーニングコーヒーをするのもいい方法です。
      ポイントは、香りを感じたら飲むように自身でルールを作ります。
      紅茶でもOKです。
    • 〇 入浴時
    • 好きな香りの入浴剤を入れてお風呂を楽しんでいます。
      ゆずの香り、ジャスミンの香り、草津の湯、登別の湯、別府の湯等、色々、楽しみながら入浴します。
      ポイントは、入浴する前に香りを感じたらお風呂にはいります。
    • 〇 昼間帯
    • デパートの日本茶売り場前やコーヒー豆を焙煎している前で立ち止まり匂いを確認します。
      焼肉店の前で感じるおいしい匂いは、学生時代の記憶が戻ってきます。わくわくしますね。
臭覚を感じる方法は、鼻をもぐもぐさせて、鼻腔内に気流を生じさせることで臭覚を少し取り戻せます。
カウンセリング会で亀井先生に臭覚テストを実施して頂くと最初の5問は正解でしたが、あとが不正解でした。口腔内の陰圧が均等になると匂いが感じにくいようです。(12問中 5問正解)
結論、口腔内が減圧しているときは、外気と口腔内の陰圧との差で臭覚が戻ります。
匂いが鈍感になると再度、鼻をもぐもぐさせ口腔内を減圧することで匂いを感じることができます。
難しい訓練方法を指定時間や指定場所で実施するのは挫折しやすので、日常生活の中で色々と工夫をすることで臭覚機能アップになりました。

悠声会 関西支部
支部長 伊藤文博