17回有明病院患者交流会
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第17回プロヴォックス患者交流会報告

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平成23219日、今年最初のプロヴォックス患者交流会が癌研有明病院にて開催されました。

患者様、ご家族を含め合計33名の方々にお集まりいただき、会場から人が溢れるほどの様子でした。今回は癌研有明病院頭頸科部長の川端先生もご出席されました。

まず幹事の土田さんから、悠声会を中心に活動を行っている、人工鼻を障害者日常生活用具の給付対象としてもらうための取組みについて報告がございました。以前から働きかけていた町田市と八王子市は新年度から給付対象とする方向で調整が進んでいるそうです。横浜市につきましては今年から人工鼻を給付対象とするのは難しそうですが、市の職員の方から横浜市内に在住の喉摘者の人数について問い合わせがあり、9名が該当するという報告をされたそうですので、具体的な検討は進んでいるようです。また土田さんから喉摘者の障害者等級に関するお話もございました。現在喉摘者は音声言語機能障害ということで障害者等級は3級に該当しますが、障害者等級3級は扱いが軽く、医療費その他の面において十分な支援を受けることができていないというのが現状です。しかしながら喉摘者はしゃべることができない、お風呂に入ることができない、においがわからない、味覚が落ちる、痰が出やすい、食事に時間がかかる等々、日常生活をする上で不自由なことが多く、実際には障害者等級2級に相当するのではないかということで、厚労省に対して陳情を行っていくということです。

赤木先生からはご自身の経験から今回もいろいろなお話がございました。まずはお酒と癌の関係についてお話があり、飲酒後体内で生成されるアセトアルデヒドは毒性があり、人によっては強い発がん性物質と成り得るのでアルコールが体質に合わない人は気をつけたほうがよいとのことです。最近ではご自身もお酒を控え運動をされるようになり、以前よりもずっと元気になった気がするとおっしゃっておりました。空腸の蠕動運動の対処法についてはいろいろお試しになったそうですが、話をする前に空気や唾を飲み込んで、空腸を少し動かすことによって慣らすのが一番手軽で効果的ではないかとのことです。今年の57日には新潟県立がんセンターでプロヴォックス患者会発足記念イベントがあり、そこでスピーチをされるご予定とのことです。

福島先生からは声の出やすい方と出にくい方の違いや声量などについて詳しいご説明がございました。プロヴォックスを使用した発声は年齢ではなく、移植した空腸の長さや太さによって大きく異なり、空腸を移植する手術の手技によっても異なるとのことです。空腸を移植する際に腸を弛ませると安全ですが声が出にくく、腸をピンと張って移植すると声は出やすいですがリスクが高くなるとのことでそれぞれ一長一短があるそうです。その他に発声のコツとして、腹式呼吸をするようにおなかに力を入れて一気に息を吐く練習も効果的であるとのことです。いずれにせよ、発声の上達はたくさん話すことが一番の近道で、気管孔を押さえるタイミングや声の出し方は徐々に身についていくので、あせらずにやっていくことが大切であるとおっしゃっておりました。またプロヴォックスを使用しても声が出にくいケースとしては、移植した腸が極めて細く、食事がなんとか通るくらいの方や気管孔が非常に大きく、塞ごうとしても隙間から空気が漏れてしまう方、使用しているプロヴォックスのサイズが長く、食道後壁に当たってしまい肺からの呼気がスムーズに流れない方などがいらっしゃるそうです。ただしプロヴォックスのサイズが小さいと肉芽ができてしまうので、12mmくらい余裕があるのがちょうどよいとのことです。

川端先生からは、この患者交流会を通じて患者様同士の情報交換や新たにプロヴォックスを使い始めた患者様へアドバイスを行うことによって、病院ではなかなか対応しきれない患者様のアフターケアの役割を担ってくれるのは大変貴重であり、今後もこの患者交流会が発展していってほしいとおっしゃっておりました。

今回の患者交流会でもこれからプロヴォックスの手術を行う予定の方やそのご家族の方もいらっしゃっておりましたが、ぜひプロヴォックスを使って声を取り戻していただきたいと思いますし、さらに次にプロヴォックスをお使いになる方へアドバイスをしていただくことにより、シャント発声の輪がどんどん広がっていくことを祈っております。

  

 

 

第18回プロヴォックス
患者交流会のお知らせ
 

 

時下、皆様におかれましては、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。

この度、癌研有明病院 頭頚科にて喉頭摘出術をお受けになり、手術後にプロヴォックスにご興味のある患者様を対象に第18回交流会を開催することとなりました。皆様の社会復帰を促進することを、目的としています。

情報交換や憩いの場となると思います。ご家族もご一緒に是非おいでください。

申し込みは必要ございませんので、ふるってご参加下さい。

 

 
 

 

予定日時:2011年 6月18日(土)

13:00〜15:00

場所:癌研有明病院 会議室 

   ※当日、案内図をご用意致します

 

問い合わせ先

  癌研有明病院 頭頚科外来 

  TEL 03-3520-0111(代表)   頭頚科外来 内線1260

                   又は 福島啓文 内線7082 

ご質問等ございましたら、お気軽にお電話にてお問い合わせ下さい