有明病院患者交流会
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第34回プロヴォックス患者交流会報告

 平成27年10月9日(金)、がん研有明病院1階会議室で、第34回プロヴォックス患者交流会が開催されました。今回は15名と、やや少ない参加者でしたが和気藹々とした雰囲気のなか、活発に意見交換が行われました。まず、会の冒頭に悠声会会長の土田さんから人工鼻(HME)の障害者日常生活用具給付認定に向けた陳情活動についてのご報告がありました。現在、人工鼻(HME)を障害者日常生活用具給付として認定している自治体は65か所となったそうです。今年も土田会長を中心に日本全国で勢力的に陳情活動が行われ、22か所の自治体へ出向かれたとのことでした。土田会長はシャント発声の方皆さんの住む地域全てで人工鼻(HME)を障害者日常生活用具給付として認められるようにこれからも頑張りたいとおっしゃっていました。続いて悠声会副会長岩Pさんと幹部の方々からご挨拶がありました。岩Pさんは喉頭摘出したけれどたった2ヶ月休んだだけで仕事に復帰することが出来たのはプロヴォックスのお蔭だとおっしゃっていました。
 大変ご多忙な業務の合間を縫って福島啓文先生にもご参加いただきました。会場からはプロヴォックスに関することや、喉頭摘出後の体のことに関する質問が挙がり、福島先生はお一人お一人に非常に分かり易い説明で丁寧に答えてくださりました。
 今回もご参加頂きました方々のお話しを幾つかご紹介させて頂きます。
 江東区からご参加のAさんはとても明瞭な大きな声でお話しくださいました。Aさんは喉頭摘出後すぐにこの会に参加されたそうですがその時プロヴォックスへ抱いた感想は「手入れが面倒くさそう」というものだったそうです。その後、食道発声教室に通われ食道発声を習得されました。しかし5年後、Aさんは肺がんとなり、肺の一部を切除し食道発声が続けられなくなりました。そこでプロヴォックス留置術を受けてシャント発声を始めたということでした。楽に発声の出来るシャント発声にして本当に良かったとお話しされていました。
 群馬県からお越しのOさんの悩みは「ここ一番というところで声が出なくなる」ということだそうですが前回の交流会では思うようにお声を出すことが出来なかったOさんの上達ぶりに皆さん驚いていました。
 品川区から来られたSさんはご自身の発声が上手になったということを周囲の方々から掛けられる言葉で実感されているそうです。シャント発声を始めて間もない頃は「息苦しそうだからもう話さないでいいよ」と言われることもあったそうですが、最近ではシャント発声ということに気付かれず、「あれ?風邪ですか?」と言われることもあるとおっしゃっていました。
 練馬からご参加のKさんは土田会長をはじめとする幹部の方々へ陳情活動の感謝と労いの言葉を口にされていました。陳情活動をされている皆さんと比べると外出の機会は少ないというKさんも毎日少しずつ発声練習を続けていて、更なる発声向上へ向けて勤しんでいらっしゃるとのことでした。
 埼玉県からご参加のMさんは嗅覚訓練の補助となる手作りの道具を岩P副会長から借りて毎日嗅覚訓練を行っているそうですが、なかなか匂いを感じることは難しく悪戦苦闘しているそうです。
 第34回プロヴォックス患者交流会も、福島先生から非常に有効で分かり易いアドバイスがもらえたり、喉頭摘出者という同じ境遇の方々同志で悩みを共有したり出来、とても有意義な会となっておりました。

 次回は来年2月12日(金)の開催予定です。皆様にお目にかかれますことを楽しみにしております。このプロヴォックス患者交流会ではプロヴォックスでお話ししている方やご家族はもちろん、プロヴォックスに興味のお持ちの方はどなたでもご参加頂けます。沢山のご参加お待ちしております。