有明病院患者交流会
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第39回プロヴォックス患者交流会報告

 平成29年4月14日(金)、がん研有明病院新棟1階レセプションルームで、春らしい陽気のもと、第39回プロヴォックス患者交流会が開催されました。今回は30名近くの参加者が集い、活発な意見交換が行われました。

 まず、会の冒頭で悠声会会長の鈴木さんより、前会長土田さんご逝去の報告があり、今後は鈴木さんが土田さんの後を受け、悠声会会長としての活動を引き継ぐご報告がありました。悠声会の活動として、特に日常生活用具給付金に関する自治体への陳情活動のご説明がありました。この4月で130か所の自治体の認定が取れたこと、この中には政令指定都市11か所も含まれており、日本の人口の約30%がカバーできたことを成果として挙げられていました。悠声会としては、引き続き日常生活用具の陳情活動に力をいれていくそうです。

 会の後半には、ご多忙の中、福島啓文先生もご参加いただき、参加者の方々のお悩みに対する回答の場も設けられました。気管孔が大きくてシャント発声ができるか心配との相談には、肺の空気を咽頭に流す必要があり、気管孔を何らかの方法で密閉できればよいこと。まず指で密閉できるかのテストをするが、できなかったとしても、全くだめというわけではなく、いろいろな製品を試せば大丈夫な場合もある、と丁寧に回答してくださいました。
 また、ラリボタンが飛び出るとのお悩みに対しては、ラリボタンを使っていると気管孔が広がるため、2,3日使用を休むと気管孔が縮んで半日ぐらいはもつかもしれないと回答がありました。一方、ラリボタンは気管孔にひっかかりがない方が使うのは難しく、気管孔によっては、必ずしもラリボタンが良いわけではないともおっしゃっていました。

 今回も、ご参加頂きました方々のお話しを幾つかご紹介させて頂きます。
 高崎市からお越しのHさんは、2月にプロヴォックスを入れて話せるようになったそうです。患者会当日にビックサイトで、お仕事されている業界の展示会があり、1年ぶりに会うお知り合いの方との会話でも、何の違和感もなくコミュニケーションが取れたと喜んでいらっしゃいました。上京して大学に通うお嬢さんと会話する時も、人ごみの中やお店の中でも会話できることに喜びを感じていらっしゃるご様子でした。唯一お困りなのが、アドヒーシブがすぐはがれてしまうことで、これについては他の皆さんの意見を聞いて、早く上手に貼り替えられるようになりたいとおっしゃっていました。
 宮城県からご参加のAさんは、2か月前にプロヴォックスの手術をしたばかりで、今発声に向けて試行錯誤されているそうです。29年前に舌癌の手術を受けられていて舌が短めなのですが、絶対にしゃべるんだという強いお気持ちでプロヴォックスの手術を受けられたそうです。今回、本患者会へは、プロヴォックスの掃除の仕方など、他の患者さんからいろいろなご経験を教えていただければと考えて参加されたとのことです。
 町田市からおいでのCさんは、プロヴォックスを入れられて7年目の方で、とても明瞭なお声でお話しされています。Cさんの気管孔にはラリボタンがよく合ったそうで、現在はラリボタンにフリーハンズを使用していらっしゃいます。上達の秘訣は、普段から家族とたくさん話すことだそうです。「うるさいと思われても、しょっちゅう自分からごはんまだとか話しかけている」と楽しそうにおっしゃっていました。

 第39回プロヴォックス患者交流会では、これからシャント手術を受けようと考えてらっしゃるご家族が情報収集に、既に手術を受けている方々が情報共有の場として、また喉頭摘出者という同じ境遇の方々同志で悩みを共有する場として、とても有意義な会となりました。次回は7月14日(金)、会場は新棟1Fレセプションルームにての開催予定です。このプロヴォックス患者交流会ではプロヴォックスでお話ししている方やご家族はもちろん、プロヴォックスに興味をお持ちの方も、どなたでもご参加頂けます。沢山のご参加お待ちしております。