有明病院患者交流会
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第40回プロヴォックス患者交流会報告

 平成29年7月14日(金)、がん研有明病院新棟1階レセプションルームで、初夏の日差しの中、第40回プロヴォックス患者交流会が開催されました。今回は20名近くの参加者が集い、各自の近況報告とお悩みに関する意見交換が行われました。

 まず、会の冒頭で、悠声会会長の鈴木さんより、悠声会の活動として、日常生活用具給付金に関する自治体への陳情活動のご説明がありました。この7月で140か所の自治体の認定が取れたこと、この中には横浜、千葉、大阪、名古屋、福岡、札幌といった政令指定都市も含まれており、日本におけるカバー率は上がってきているとのお話がありました。悠声会としては引き続き日常生活用具の陳情活動に注力していくそうです。

 今回も福島啓文先生にもご参加いただき、皆様のお悩みに回答してくださいました。プロヴォックスの弁からの漏れのお悩みについては、口中のカンジダ菌が主な原因であること、カンジダ菌の繁殖は、個人の食生活やプロヴォックスの位置による食物残渣のたまりやすさに関係することをご説明されるとともに、お食事の後には水を飲み、食物残渣をきちんと流すようにした方が良いことを教えてくださいました。また、カンジダ菌を防止するフロリードゲルの活用も有効であること、ヤクルトなど乳酸菌がカンジダ菌をつきにくくする効果があると言われていることも教えてくださいました。そして、プロヴォックスの弁からの漏れの場合には、プラグというプロヴォックスの穴に栓をするもので応急措置ができることもお話しいただきました。

 ブラシ掛けの仕方についても、プロヴォックスの穴に対して平行に差し込むこと、角度をつけて差し込んでしまうと弁の破損につながる可能性があることについても教えていただきました。また、プロヴォックスがくるくる回ることが気になる、正しい位置に収まっていないと漏れるのではないか、とのご質問には、プロヴォックスは回ってしまうもので、診察で見ても3分の1の方が上下逆になっていることがあるおっしゃっていました。

 島根県からお越しのYさんは、4月にプロヴォックスを入れて話せるようになったそうです。まだプロヴォックスを入れて3か月ぐらいですが、「これぐらいは話せるようになった」とお話ししてくださいました。プロヴォックスを入れるまで1年半ぐらい話せなかった時期があったそうですが、話せるようになって生活はかなり変わったそうです。仕事でも少しずつコミュニケーションが取れるようになっており、今回会に参加された他の方々のようにもっともっと上手に話せるようになりたい、と抱負を述べていらっしゃいました。

Sさんは、プロヴォックスで話し始めて5年のベテランでいらっしゃいます。プロヴォックスを使った発声にかなり慣れてはきているが、今日は少し声が出にくい、ブラシでプロヴォックスを掃除するとすきっといい声がでるのだが、まあこんなものかなと思って話している、とおっしゃっていました。Sさんの場合、大体3か月でプロヴォックスから漏れてくるので、漏れる前に2か月でプロヴォックスを交換しているそうです。こうした工夫で、快適に今のお声を維持していらっしゃいます。

Wさんは、食道発声を5年ぐらいしてからプロヴォックスを入れられたそうです。その結果、少し騒がしい場所でもコミュニケーションがとれること、大きな声が出ることに満足されているそうです。時々カラオケに行ったり、お仲間の喉摘者の方々と交流するなどして、生活を楽しんでいらっしゃるご様子でした。

 第40回プロヴォックス患者交流会は、シャント手術を受けられた患者様とそのご家族、医療従事者が一緒になり、ともに日ごろのお悩みや疑問の解消、近況報告や意見交換をする良い機会となりました。

 次回は10月13日(金)、会場は新棟1Fレセプションルームにての開催予定です。このプロヴォックス患者交流会ではプロヴォックスでお話ししている方やご家族はもちろん、プロヴォックスに興味をお持ちの方も、どなたでもご参加頂けます。沢山の方のご参加をお待ちしております。