有明病院患者交流会
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第41回プロヴォックス患者交流会報告

 平成29年10月13日(金)、がん研有明病院新棟1階レセプションルームで、秋雨前線の曇り空のもとで、第41回プロヴォックス患者交流会が開催されました。今回は20名近くの参加者が集い、各自の近況報告とお悩みに関する意見交換が行われました。福島啓文先生にもご参加いただき、皆様のお悩みに回答していただきました。

 まず最初に、悠声会会長の鈴木さんより悠声会の活動として、日常生活用具給付金に関する自治体への陳情活動のご説明があり、この10月で143か所の自治体の認定が取れたとのご報告がありました。悠声会としては引き続き、喉摘者の皆様と日常生活用具の陳情活動を行っていくそうです。

 今回は、参加者の方々からのお悩みに対して活発な意見交換がございましたので、ご紹介いたします。

 今回お悩みとして複数の方から聞かれましたのは、プロヴォックスの弁からの漏れです。町田市のCさんは、フラッシュというプロヴォックス洗浄製品を使い始めてから漏れの改善があったとのことです。福島先生からは、ブラシの掛けの際、角度をつけて差し込むと弁の破損につながる可能性があるため、なるべくプロヴォックスの穴に対して平行にブラシを差し込んで使用するよう教えていただきました。また、口中のカンジダ菌が弁からの漏れの主な原因であるため、歯石や歯垢を取るといった歯科医による定期的な口腔ケアが有効であるともお話しいただきました。そして、ヤクルトやヨーグルトなどの乳酸菌飲料の摂取、また食物残渣がプロヴォックスの弁に付着することでカンジダ菌が発生しやすいため、食後には水分摂取にて食物残渣を洗い流すとよいとのことです。大田区からお越しのSさんは、プロヴォックスを入れて5年、現在のお悩みは肩こりがなかなか取れないことで、筋トレやラジオ体操で対策をしていらっしゃいますが、なかなか改善しないそうです。また、空腸再建のため、食べ物がのどにひっかかると1時間ぐらい何も受け付けなくなり、ゆっくりお食事すると2時間ぐらいかかることがお悩みだそうです。

 Sさんの肩こりのお悩みに対して、ストレッチをまめにすること、マッサージや整体に定期的に通うことが有効とのご意見が複数の参加者から寄せられました。痛くなくても定期的にマッサージ・整体に通う習慣につけることにより良い状態が保てるとのご意見もありました。福島先生からは、肩こりは血流障害であるため、痛くても動かせる範囲で動かすことが大事とのアドバイスをいただきました。

 お食事に時間がかかるお悩みについては、こしのないうどんやパンなど柔らかいものを時間をかけて食べるのがよいとのご意見が寄せられました。福島先生からは、空腸再建の方は吻合部が狭窄したり、放射線治療で腸の動きが悪くなっていることがお食事に時間がかかる原因であること、原因が狭窄であれば、胃カメラで狭窄箇所を確認し、バルーンで広げることで改善する場合があることを教えていただきました。

 今回もご参加頂いた方のお話しをご紹介させて頂きます。

 目黒区からお越しのMさんは、今年6月に喉頭摘出手術を受けられ、現在は電気喉頭で会話をされています。お仕事をされていますが、会社では電気喉頭を使うことができず、筆談でお仕事をされているそうです。会話ができればお仕事がしやすくなることから、シャント発声に興味を持ち、情報収集のため交流会に参加されたそうです。

 第41回プロヴォックス患者交流会は、シャント手術を受けられた患者様とそのご家族、医療従事者が一緒になり、ともに日ごろのお悩みや疑問の解消、近況報告や意見交換をする良い機会となりました。

 次回は2018年1月12日(金)、会場は新棟1Fレセプションルームにての開催予定です。このプロヴォックス患者交流会ではプロヴォックスでお話ししている方やご家族はもちろん、プロヴォックスに興味をお持ちの方も、どなたでもご参加頂けます。沢山の方のご参加をお待ちしております。