有明病院患者交流会
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第42回プロヴォックス患者交流会報告

 平成 30 年 1 月 12 日(金)、がん研有明病院新棟1階レセプションルームで、素晴らしい晴天のもと、第42回プロヴォックス患者交流会が開催されました。今回は20名近くの参加者が集い、各自の近況報告とお悩みに関する意見交換が行われました。途中から福島啓文先生にもご参加いただき、皆様のお悩みに回答していただきました。

 まず最初に、悠声会会長の鈴木さんより、悠声会の活動として、日常生活用具給付金に関する自治体への陳情活動のご説明があり、2017年12月で151か所の自治体の認定が取れたとのご報告がありました。全国約1700の市区町村のうち、1割に至りませんが、悠声会としては引き続き、積極的に陳情活動を行っていくそうです。また、新しいプロヴォックスが実用化され、がん研では昨年12月から、その他の病院も春頃までに順次導入されるのではないかとのお話しがありました。

 今回も参加者からのお悩みに対して、福島先生からアドバイスがございましたのでご紹介いたします。

 今回、複数の方からのどがつまって飲み込めない、食事に時間がかかる、というお悩みがありました。このお悩みに対して福島先生から、飲み込む時に嚥下圧をかけることが大事なこと、口をとじてごくごくと飲み込み、鼻に抜ける時は鼻をつまんで飲み込むようにとのアドバイスがありました。空腸再建の方は、腸を食道に移植しているため、腸だった時の重力に逆らう運動が残っており、飲み込みが悪くなる場合が多いそうです。

 また、首の周りの筋がつっぱってつらい、少しは楽になりますか、とのご相談に対しては、手術後の首の周りのつっぱりの改善には放射線をあてた場合は年単位の時間がかかるため、少し気長に待つことも必要とのアドバイスありました。手術した跡は瘢痕収縮と言い、一度収縮しますが、半年ぐらい経つとまた柔らかくなるそうです。しかし放射線をあてた場合は毛細血管が潰れて回復力が悪くなるため、回復に長い時間がかかる、とのご説明がありました。

 今回もご参加頂いた方のお話しを紹介いたします。

 Aさんは、昨年10月に喉頭摘出手術を受けられました。声帯にがんが食い込んでいたため、声帯を取ることになったそうです。コミュニケーションにおいては、ご夫婦で話していても伝わらないことがあり、ストレスを感じるそうです。そのためご自身の声で話したいというご希望が強く、今回福島先生をご紹介いただき、シャント手術を受ける方向で検討されているそうです。今回このような会に参加し、仲間がいることを心強く感じていらっしゃるそうです。

 Kさんは昨年11月に手術をし、12月に退院したばかりです。空腸再建のため、シャント発声は難しいと言われているそうです。空腸再建でもシャント発声にしてレベルアップが可能かを知りたくて、今回参加されたそうです。この質問に対して参加者の方から、個人差があり、単純喉摘なら大丈夫、空腸はダメと、一概にいうことはできない、とのご意見がありました。実際、今回参加されている方の約半数が空腸再建でした。また、参加者がお話されているご様子から、その方が空腸か単純喉摘かを判別するのは難しかったです。

Mさんは、現在電気喉頭を使用していますが、社会復帰に向けてシャント発声を検討されています。会社にお勤めですが、職場で電気喉頭を使わないで欲しいと言われているそうで、職場でのコミュニケーションに不自由されています。Mさんのお話には周囲の方からも、シャントにすればお仕事の面もいろいろと変わってくるのでは、とのご意見が寄せられていました。

 第42回プロヴォックス患者交流会は、シャント手術を受けられた患者様、検討されている患者様、そのご家族、医療従事者が、共に日ごろのお悩みを解消し、近況報告や意見交換をする良い機会となりました。

 次回は2018年4月13日(金)、会場は新棟1Fレセプションルームにての開催予定です。このプロヴォックス患者交流会ではプロヴォックスでお話ししている方やご家族はもちろん、プロヴォックスに興味をお持ちの方も、どなたでもご参加頂けます。沢山の方のご参加をお待ちしております。