有明病院患者交流会
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第46回プロヴォックス患者交流会報告

 2019 年1 月11 日(金)、がん研有明病院研究棟1 階吉田富三記念講堂で、晴天のもと第46回プロヴォックス患者交流会が開催されました。今回は21名の喉頭摘出者の方とそのご家族が集い、各自の近況報告とお悩みに関する意見交換が行われました。

 最初に、悠声会会長の鈴木さんより、悠声会の活動案内がありました。関東地区では、月1回定例会を開催する他、月1回フリーハンズで話すための勉強会を開催しているそうです。九州支部は毎月、関西支部と東海支部は3か月に1回、定例会を催しています。また悠声会以外にも、喉摘者を支援する会として、病院が主催する会があることをご紹介いただきました。東京医科大学八王子医療センターの「オオルリの会」や千葉医療センターの喉摘者の会が紹介されました。

 次に鈴木さんから、日常生活用具給付制度(日生具)の陳情活動のご説明がありました。これは、喉摘者が使用する器具を日生具に含めるための活動で、現在、251の自治体が認定されているそうです。今年1月から、千葉県市川市も認定され、今後も日生具の陳情活動を推進していくことを、意欲的に話されていました。これに加え、島根県隠岐の島からご参加のYさんから、隠岐の島町にかけあい、日生具に関する活動を行っているとのお話しがありました。中国地方では日生具の認可自治体がない為、隠岐の島が認可されれば、大きい前進であると話していました。

 今回、福島先生はご多忙のためご参加いただけませんでしたが、喉摘者同志でお悩みについて、活発な意見交換がありました。

 まず、プロヴォックスの漏れに関する意見交換がありました。
鈴木さんから、プロヴォックスを交換してから丸1年経つが、ほとんど漏れないこと、漏れてもブラシがけすると直るとのお話しがありました。さらに、自分だけかもしれないが、食べながら飲むとあまり漏れないとのお話がありました。

 葛飾区のHさんからは、銀鈴会で行った、漏れに関するアンケートの話がありました。アンケートでは、漏れやすい飲み物と漏れにくい飲み物があるとの回答があり、ビールのような炭酸系は漏れやすく、無糖系蒸留酒は漏れにくい傾向があったようです。科学的根拠はないとのことですが、その人その人の漏れ対策があるようです。何を飲んだら漏れやすいか、意識して観察する姿勢が大事なのかもしれません。

 町田市からおこしのCさんは、1日に1回、ブラシやフラッシュを使い、プロヴォックスのお掃除を習慣づけてから、漏れにくくなったそうです。他にも2か月に1回、定期的にプロヴォックスを交換するのが有効とおっしゃっていました。

 このように、プロヴォックスが長期間持つ方も持たない方も、それぞれの独自の漏れ対策があるようです。

 目黒区からおこしのMさんからは、喉摘者の就労のお悩みが共有されました。Mさんは昨年プロヴォックスを入
れて、話せるようになりました。以来、お仕事でもプロヴォックスで話し、ご病気になる前と同じように周りから頼られています。しかしご自身では、しゃべると疲れるし肩もこる、以前と全く同じではなく、仕事をまかせられ、限度を超えていてもなかなか「できない」と言えないことにもどかしさを感じているそうです。がんや、その後遺症を抱えながら生活する難しさは、がんを患った方の大きな課題であり、周りの方の理解も必要なことから、難しい問題です。今回この会で喉摘仲間にお話しされたことで、Mさまのお気持ちが少しでも楽になればと思います。

 Mさん同様、お仕事をされているYさんは、痰のケアにお困りだそうです。毎日、アクティブに過ごされていますが、困るのが痰の処理。人前ですると、知識のない方は、表情に出す方もいらっしゃるそうです。Yさんは周囲の方の気持ちを考え、できるだけお手洗いで痰の処理をするそうです。
また、出社前に必ずお手洗いに行く、1 時間に1 回はお手洗いで痰の処理をすることを心がけているそうです。

 第 45 回プロヴォックス患者交流会は、シャント手術を受けられた患者様、検討されている患者様、そのご家族、医療従事者が、共に日ごろのお悩みを解消し、近況報告や意見交換をする良い機会となりました。

 次回は 2019 年 4 月 12 日(金)、会場は新棟1F レセプションルームにての開催予定です。
プロヴォックス患者交流会では、プロヴォックスでお話ししている方やご家族はもちろん、プロヴォックスに興味をお持ちの方も、どなたでもご参加頂けます。沢山の方のご参加をお待ちしております。