有明病院患者交流会
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第38回プロヴォックス患者交流会報告

 平成29年1月13日(金)、がん研有明病院1階レセプションルームにて、寒空のもと、第38回プロヴォックス患者交流会が開催されました。今回はご家族を含む30名を超える多くの参加者が集い、遠方からは島根県、隠岐の島からもご参加があり、活発な意見交換が行われました。

  悠声会会長の土田さんは、はじめのご挨拶で、このプロヴォックス患者交流会が今年で10年目を迎えたことを感慨深くお話されていらっしゃいました。本日も新しく3名ほど参加され、今も尚、この会が活発であることに感動されていらっしゃいました。
 今回もお忙しい中業務の合間を縫って、福島啓文先生にご参加いただきました。練馬区からご参加のKさんですが、数年にわたり過緊張により発声困難な状況に苦しんでいらっしゃいましたが、継続したリハビリにより、今ではとても流暢にスピーチもできるようになっていらっしゃいます。劇的に改善した状況に、かねてからの参加者はじめ皆様、大変驚かれていらっしゃいました。先生からこの「過緊張」に関してご説明がありました。喉頭全摘で食道再建されていない方で、咽頭収縮筋が残った際、発声の時、喉のほうへ空気が入ると、残っている筋肉がキュっと収縮してしまい、うまく話せないことがあります。対策として、筋に麻酔をかけ収縮しないようにすること、麻酔が効いているうちに筋肉を使わない発声方法を練習・体得することでうまく発声ができる可能性があります。Kさんも、福島先生に麻酔を打ってもらい、言語聴覚士による発声のリハビリを受けていらっしゃいました。

 今回ご参加された方々のお話しを幾つかご紹介させて頂きます。
 松戸市からご参加のCさんは、シャント手術を受けて1年半ほどの方です。シャント発声で声を取り戻して、一番感謝していらっしゃることについてお話くださいました。先日身内の方にご不幸があり、親戚の方にご連絡をしなくてはならなかったのですが、ひとまず電話でコンタクトが取れたとき、改めて声が出ることに感謝されたそうです。声の質より、相手に伝わることが大事、とコミュニケーション能力の再獲得の価値についてCさんは力説されていました。
 隠岐の島から参加されたYさん。ネットでシャント発声のことをお知りになったとのことです。携帯電話に皆さんのスピーチを聞いた感想を入力され、奥様が代読をされる場面がありました。参加された皆さんが、健常の方と同じように普通にお話しされていることへの驚き、そして、ご自身の話せないことの辛さが語られていました。そして、皆さんのように話せるのであれば明日にでも手術を受けたい、とのことでした。
 また、荒川区から参加のYさんは、昨年6月にシャントの手術を受けられた方です。まだ日常生活用具給付金が荒川区では認可されていないため、早いところ悠声会に参加し、行政に陳情をしたいとお話されていました。日常生活用具給付金の認定箇所について土田さんから補足がありました。東京都では現時点で14区が給付金を認定しています。今回のお話を受けて土田さんから荒川区に陳情へ行かれるということでした。また、全国の政令都市20箇所のうち、現在認定しているのは6箇所。確実に認定都市の数が伸びているとのことです。将来的に、患者会に参加すれば給付金がもらえる体制になるようさらに積極的に陳情活動を進めていきたいとのことでした。

 第38回プロヴォックス患者交流会では、閉会時間ぎりぎりまでお話が飛び交い、手術前後の情報収集・情報交換の場、また参加者同士で交流する場としても大変有意義な場となりました。次回は4月14日(金)、会場は新棟1Fレセプションルームにて開催予定です。このプロヴォックス患者交流会ではプロヴォックスでお話ししている方やご家族はもちろん、プロヴォックスに興味のお持ちの方はどなたでもご参加頂けます。沢山のご参加お待ちしております。