23回有明病院患者交流会

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第23回プロヴォックス患者交流会報告

 平成24年9月15日(土)、がん研有明病院4F会議室にて、第23回プロヴォックス患者交流会が開催されました。今回の参加者は患者さん、ご家族、医師、看護師を含め、総勢50名近く、回を重ねるごとに盛況になっています。
前回に引き続き、銀鈴会でシャント発声教室が新設されたことを受け、銀鈴会からの見学者がいらっしゃいました。国内最大の喉摘者団体である銀鈴会でも、少しずつシャント発声が認知され、シャント発声の患者さんの交流が増えることは非常に喜ばしいことです。
 恒例により、悠声会幹事の土田さんによる近況報告と悠声会の活動報告がございました。
 NPO法人として悠声会の主たる活動のひとつである、人工鼻(HME)の障害者日常生活用具給付認定に向けた陳情活動状況についてご説明があり、前回の交流会での報告以後、16の自治体を訪問されたそうです。新たに給付が認められた自治体については、分かり次第ご報告しますとのことです。
 悠声会理事の木村さんからは、定期的に行っているフリーハンズの練習会についてお話がありました。フリーハンズを現在使用されている方や、これからの使用を検討されている方を対象に、概ね月に1回、3〜4名の少人数で実施していらっしゃいます。ある患者さんの例ですが、初めは力が入りすぎてどうしても声がうまく出せず、また不安の表れか背中が丸まってしまっていた方がいらっしゃいました。しかし練習後、背筋をピンと伸ばして発声することにより上手に発声できるようになり、次第に性格まで明るくなっていったとのお話がございました。練習会にご興味がある方はぜひご連絡をください、とのことです。
 参加者の近況報告の中で特に印象に残った話をいくつかご紹介します。
 最近カラオケでは、特に高い音域で歌うことに励んでいらっしゃるというYさんは、日頃お孫さんとの口喧嘩を繰り返すうちにいつのまにか発声がうまくなったそうです。

 また、別のYさんは日常生活の習慣を通じて感じた、練習することの大切さについて話をされました。奥様と二人きりだと言葉を発しなくても意思疎通ができてしまいますが、それに慣れてしまうといざ一人で外に出た時には全く通用しないので、非常に好ましくないことであると思われたそうです。奥様と患者会にいらっしゃっていた方がある時からお一人で参加するようになり、積極的に話すことで自信がつき、さらに上手く発声できるようになっていったという姿をご覧になったとき、普段から練習をすることがいかに大切であるか実感されたそうです。
 近況報告の後、ご出席された方からいろいろなご質問がございました。福島先生が一つ一つ丁寧にお答えくださっただけでなく、出席された他の患者さんから多くのアドバイスもあり、大変有意義な意見交換がなされておりました。
 フリーハンズの使用開始時期に関する質問について、まず初めはHMEカセットとアドヒーシブを使用してシールの貼り付け方を練習し、十分慣れてからフリーハンズを試してみるのが良いのではないかとのことです。フリーハンズは手で押さえる必要がないため、どうしてもシールが剥がれやすく、まずはしっかりとシールを貼れるようになることが先決であるというのが理由です。
 他の患者さんからは、プロヴォックスをブラッシングする際に本体が回転してしまうことについてご質問がありました。隔壁の厚さとプロヴォックス本体のサイズによっては回転しやすい場合もありますが、プロヴォックスの上下が逆になったからといって必ずしも漏れが生じたり、発声ができなくなったりするわけではないとのことです。ただしプロヴォックスは常に正しい向きであることが理想的ですので、出来る限りそのようにしておくべきだそうです。
 最後に、次回の交流会に関して福島先生よりお話がございました。回を重ねるごとに参加者が増えてきた本交流会ですが、がん研有明病院の診療体制の変更に伴い、次回から金曜日に開催することとなりました。皆様お忙しいこととは存じますが、奮ってご参加くださいますようお願い申し上げます。

 「皆と交流することで、生きる喜びが感じられる」
 このような声が聞こえてくる有意義な患者交流会を皆様のお力で長く続けていくことを心から願っております。