25回有明病院患者交流会
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第25回プロヴォックス患者交流会報告

 平成25年3月22日(金)、がん研有明病院4F会議室にて、第25回プロヴォックス患者交流会が開催されました。今回の参加者は患者さん、ご家族、医師、看護師を含め、総勢30名に至るほど。前回より金曜日に開催されることとなりました本会ですが、毎回参加者が多く盛況なため、室内に入りきれない状況も出てきました。今回は机を片し、より広いスペースを設けました。患者さんと福島先生との意見交換も活発に行われ、日ごろの悩みをご相談、プロヴォックスのケアに関するお話があったりと、みなさん積極的に聞き入っておりました。
今回で25回となる本患者会にあたり、福島先生よりお話がありました。
平成19年から始まった患者会も25回目を迎えることになりました。患者さんも年々増え、また、全国的にもプロヴォックスの患者さんが増えてきました。世界的にみると、音声回復の手段として欧米では6、7割がシャント発声。日本では依然1割程度です。これには、過去日本で販売されていたものは、合併症を引き起こす可能性が高かったこと、交換時の手間があったことが大きく影響しています。しかし現在使用されているプロヴォックスは、十分に改良され、交換も簡単に、また、製品寿命も延びています。今後、患者さんがもっと増え、将来の展望として、欧米で行われているように、言語聴覚士によるプロヴォックス交換や、クリニックでも交換ができるようになってくるのではないでしょうか。

  前回同様、銀鈴会でシャント発声教室が新設されたことを受け、銀鈴会からの見学者、またシャント教室参加者もいらっしゃいました。徐々にではありますが、シャント発声の認知度が上がり、患者さんが情報を得ることができる機会が増えてきているのではないでしょうか。もっと普及が広まり、今後、その普及のスピードを速めていくことが、今後の課題であり、またそうなれば、患者さん、今後手術を受ける方、ご家族の方々にも非常に喜ばしいことであると強く感じます。

 恒例により悠声会会長の土田さんによる近況報告と悠声会の活動報告、紹介がございました。

 NPO法人として悠声会の主たる活動のひとつである、人工鼻(HME)の障害者日常生活用具給付認定に向けた陳情活動状況について、新たに給付認定が決まった4自治体(福岡県の筑前町、東京都府中市、品川区、千葉県四街道市)のご紹介がありました。全国的に給付制度を設ける自治体が増えてきていることを受け、今後も、患者さんのQOL向上に向けた、プロヴォックス、人口鼻の必要性を広める本活動を積極的に行うと力説されておりました。

 参加者の近況報告の中で特に印象に残った話をいくつかご紹介します。

 プロヴォックスを留置されて、丸6年たつKさんは患者会の発足と共に歩んできました。発足当初は情報がほとんどなく不安でいっぱいでした。そのため、みなさん、ご家族を連れて参加していたことを今でも覚えています。6年たって感じることは、情報が増えたということ。手術後のケアも行き渡るようになって本当に良かったです。これからも、今後の患者さんの為にも活動を続け、会を盛り上げていきたい、と非常に感慨深いお話でした。
 肉芽にて大変な思いをされたHさんからは皆さんにブラッシングのアドバイスがありました。操作に慣れてきても、ブラッシングをする際は丁寧さを欠くことのないよう、あまり力まないように十分注意してください。福島先生から、ブラシがちゃんとプロヴォックス本体の内側に入っていることを確認し、入らないからといって強く押し込まないよう十分に注意してください、過去に、強く押しすぎて、プロヴォックスが胃へ落ちてしまった患者さんがいます、とお話がありました。

 最後に、今回よりがん研有明病院の診療時間の変更に伴い金曜日開催となりました本交流会ですが、多くの方々にご参加頂き誠にありがたく存じます。次回からも引き続き、皆様のご参加を心よりお待ちしているとともに、患者会のさらなる発展を強く願うばかりです。