30回有明病院患者交流会

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第30回がん研有明病院プロヴォックス患者交流会報告

 平成26年10月10日(金)、がん研有明病院4F会議室にて、本年最後となる第30回プロヴォックス患者交流会が開催されました。今回は、30名程の方々にお集まり頂きました。これからプロヴォックス手術を考えておられる方や、プロヴォックスを入れて間もない方など様々でした。ご家族と一緒にご参加された方もいらっしゃいました。
 今回もお忙しい業務の合間を縫って、福島先生もご参加頂き皆さまからの質問に丁寧に答えてくださったり、日ごろのケアに関するアドバイスをして下さいました。また与謝野馨さんの特別講演が12月14日(日)に行われるというお知らせもありました。「声を選ぶ生き方を選ぶ―声を失った政治家として」というタイトルで品川インターシティホールにて午前10時〜午前11時。入場無料、ただし事前申し込みが必要となっています。
 会の冒頭、シャント発声の患者会「悠声会」会長の土田さんより3点ご報告がありました。
 まず1点目は、9月17日(木)にNHKEテレで放送されたハートネットTV「リハビリ・介護を生きる私の声で話したい」について。番組では病気で声を失った方がどのように声を取り戻したかについて取り上げられ、食道発声、シャント発声についての説明がありました。土田さんはスタジオにゲストとして招かれ収録に参加されました。放送終了後は反響が大きく、シャント発声を番組で初めて知ったという方からの問い合わせもあったそうです。
 2点目は悠声会の有志で9月28日(日)、29日(月)と1泊2日のバス旅行で栃木県へ行き、酒蔵見学や水族館、温泉、カラオケなどを楽しまれたそうです。喉頭摘出者は温泉を楽しめないのではないかと思っている人も多いと思いますが、こうやって楽しめるのだということを広めたいとおっしゃっていました。
 3点目は10月5日(土)、第二回悠声会女性会員座談会がスウェーデン大使館で行われたという報告でした。女性会員の方はおしゃれな方ばかりで、特に喉元に巻くスカーフはお一人お一人こだわりのものを愛用されているようです。会では女性喉摘者ならではの悩み相談や、どうすれば女性らしい話し方になるか、という話題がのぼり非常に有意義な意見交換の場となったそうです。

 今回もご参加頂きました方々のお話しを幾つかご紹介させて頂きます。
先月放送されたハートネットTV「リハビリ・介護を生きる私の声で話したい」をご覧になり、初めてプロヴォックスをお知りになり「こんなにすごいものがあるのなら自分も手術をしたい」と、Iさんは関西地方からいらっしゃいました。番組に出演されていたMさんに連絡を取り、今日の患者会に参加されることになったそうです。プロヴォックス留置術をまだ受けていないご本人に代わり奥様がマイクを握り、プロヴォックスを知ったことがどれほど衝撃だったか、また、自分の声で話せるようになるならばこんなに嬉しいことはない、ということをお話しされました。
腹筋、背筋180回しているというHさん。3000m級の山の縦走を行ったと健康的に日焼けした笑顔でおっしゃっていました。別の方からは「Hさんは今まさに青春を謳歌しているようだ」との評判です。
今年6月、学会に合わせて来日していたオランダがんセンターの言語聴覚士、コリーナ先生のカウンセリングを受けたSさんは喉のある部分を押さえると声が大きくなるということを教わってから声を大きくする為に使っていたマイクは必要なくなったそうです。ただ、押さえる場所は少しでもずれると声が大きくはならないのでまだまだ練習中とのことです。もっとうまく話せるようになりたいと意気込んでおられました。
プロヴォックスを入れて4年以上経つ、別のIさん。健常者に負けないように話したいと思う気持ちはあるけれど、焦っても仕方がない。焦らずゆっくりいきたいです、自分だけが悲劇のヒロインだと思わないでと、優しい笑顔でおっしゃっていました。
第30回プロヴォックス患者交流会もまた、喉頭摘出という同じ境遇の方々が集まり意見交換をしたり、悩みや不安を共有したり、非常に有意義な会となり、30回の節目にふさわしい素晴らしい会でした。
次回は来年1月頃の開催予定です。次回もまた皆様のお話しを伺うことができますことを楽しみにしております。プロヴォックスを入れている方も、これからプロヴォックスを入れようと思っておられる方もどなた様もご参加お待ちしております。