悠声会九州支部

 

悠声会九州支部第114回定例会報告

1 開催日時

令和6年6月16日(日)13時00分〜15時00分

2 開催場所

なみきスクエア 2階 第2会議室

3 出席者

会員 3名  ご家族1名  見学 1名
福岡山王病院 言語聴覚士 1名  福岡国際医療福祉大学 言語聴覚士 1名
コロプラスト株式会社 2名                         合計9名

4 進行係

Tさん司会進行のもとに進めました。

5 開催内容

○ 司会Tさん

 今月の定例会を始めます。本日は支部長のOさんがお休みですので、私の方で司会をさせていただきます。今日は見学で初参加の方がいらっしゃいます。私は2年半前に喉頭摘出とプロヴォックスの手術をしました。私は営業職で喋ることが仕事でしたから、術後は仕事を辞めたいと会社に相談したのですが、「できることをやればいいよ」と言ってもらえて、今も同じ職場で営業として働いています。お客さんと電話することも多いですが、電話で伝わらない時にはメールやSMSを活用し、どうにかやっていけています。自分の声の事は取引先の皆さんも分かってくれているので、とても仕事がやりやすいです。
先日、同居していた娘が仕事の関係で引越しをしたので、今は妻と二人暮らしです。私は子供が3人いて昔は家の中がすごく賑やかだったけど、みんな自立し、これからは妻と2人です。最近妻の微熱が続いているので心配しています。会社にも同じような症状の人がいるので、体調には気を付けていきたいと思います。

○ 福岡山王病院 言語聴覚士 S先生

 例年だと6月頭から梅雨入りしていますが、今年はまだみたいですね。先月もお話ししましたが、暑い日が続いていますので、熱中症には気を付けてくださいね。ちょっとおかしいなと思ったら、日陰で休憩してください。もう少しおかしいなと思ったら、必ず人を呼んでくださいね。水分補給も忘れずに。

○ 会員Fさん

 コロナが流行する前はこの会も参加人数が多かったけど、だいぶ少なくなってしまいましたね。昔はたくさんの仲間が毎月集って、忘年会や旅行にと盛大で良かったよね。この会もコロナの影響をすごく受けたけど、世界的に社会構成や経済にも相当な影響があって、それなりのダメージを受ける人が多かったなという印象です。私はおかげ様で、体調も良く何とかやっています。コロナ前まで出席されていた会員の皆さんがまた定例会に参加してくれたらいいなと願っています。私は手術を受けて10年、悠声会に入会して7年が経ちました。最初は気持ちが焦ってしまい、上手く発声することができませんでしたが、悠声会の先輩たちに色々とアドバイスをいただけたおかげで、今はこうして話すことができています。今の自分があるのは悠声会のおかげです。私たちと同じ病気を持つ方々のためにも、この会はなくしてはいけないと思っています。先月もお話ししましたが、食道に鼻水が詰まってしまったことが原因で食事が全く喉を通らなくなっていた時期がありました。この会でうがいをしたらいいと教えてもらい実践するようになり、その後は順調です。術後長い期間が経っていても、分からないことや困ることもあるから、こうやって相談できる場があるのはいいことですよね。色々とフランクに話しもできるし、お互いの気持ちが通じ合っている気がします。これからも皆さん元気に頑張っていきましょうね。私も今77歳ですが、あと10年は頑張って参加しますよ。老後のことを色々考えておりますが、私はとにかく家で一生を終えたいと思っています。病気をしないように、なるべく自立した生活をしていきたいです。

○ 会員Oさん

 プロヴォックスの手術をして1年が経ちました。仕事は誰かと一緒に行動するようにしていましたが、最近は一人で行ってきていいよと任せてもらうことも多くなりました。お客さんと話す前に声が出にくい事を伝えて対応するようにしています。だいたい90%くらいの人から「歌いすぎですか」と言われてしまいます。声帯を取ったんですよと言ったら、何で喋れるんですかととても驚かれるので、プロヴォックスのことを毎回説明します。僕としては、会話ができるだけですごく嬉しいのです。だから、この手術をして本当に良かったと思っています。これから先も、いろんな所に出かけたいと思います。

○ 見学Yさん (2期的にプロヴォックスを留置)

 1か月前にプロヴォックスを留置。発声が安定せず本日は筆談でのコミュニケーション
「みなさんは術後どれくらいで声がでましたか?」

→ S先生:
1期的か2期的なのかでも変わってきますが、2期的だと手術翌日からお声が出る人もいらっしゃいます。
→ Tさん:
私は1期的にプロヴォックスを留置して、2週間後には声を出すことができました。
→ Oさん:
私は2期的で、手術の翌日には少し声が出ました。

○ 福岡国際医療福祉大学 言語聴覚士 I先生

 先月に引き続き、本日もよろしくお願いします。喉頭摘出後、94%の方が嗅覚の低下を訴えられており、私は嗅覚の回復のために嗅覚訓練の機器を作成し、研究を行っています。ぜひ皆さんにも研究にご協力いただけるとありがたいです。本日は娘との参加です。最近の悩みは、娘がお風呂に入ってくれないことです。

→ Tさん:
おもちゃとかどうですか?
→ I先生:
確かに、おもちゃがあるといいですね。子育ては難しいこともありますが、遊びを用いてお風呂に入ってくれることを願います。

○ コロプラスト梶@Sさん

 最近参加した耳鼻咽喉科関連の学会で、シャント発声に関するご発表がいくつかありました。シャント発声の音声獲得率は、8〜9割と言われており、高いのですが、日常的にシャント発声をご使用されている割合はもう少し低く出ているようで、問題意識として挙がってようです。プロヴォックス留置後、日ごろから発声をしていない人が一定数いらっしゃる要因や、発声を阻害する要因は何なのか私どもでもお調べしております。せっかくプロヴォックスの手術をされたので、ぜひ発声を阻害する要因があれば解消するお手伝いができればと思っています。

○ 福岡山王病院 言語聴覚士S先生

 今日は、梅雨入り前に皆さんに雨対策をお伺いできればと思っています。雨の時など、どんな事に気を付けているのかを教えてくだい。

→ Tさん:
雨の日は特に気になったことないです。大雨でも人工鼻付けていたら大丈夫。雨よりも、私はとても汗かきなので、今の時期が一番大変です。以前はオプティダームを使用していましたが、汗ですぐに剥がれてしまうので、今はフレキシダームを使用しています。咳をするとシールが剥がれやすいので、都度人工鼻を取り外して咳をするようにしています。
→Fさん:
私も汗かきだから、アドヒーシブが剥がれやすいです。肌荒れもしやすいので、毎日貼り換えが必要です。咳出す時に人工鼻とるようにしたら確かにいいですね。
→Oさん:
私も特に雨の日は問題なく過ごせています。軽くであれば人工鼻にシャワーがかかっても大丈夫なので、雨くらいであれば心配してないです。私はフレキシダームを使っていますが、1週間くらい持ちます。痰で汚れた時などは4日くらいで交換しています。
→Tさん:
雨の日の方が痰の量が多い気がします。朝起きるとプロヴォックスの周りに痰がこびりついてしまうことです。皆さんどうやって取っていますか?
→Fさん:
ブラシで擦ったり、ティッシュを丸めて直接プロヴォックスをふき取っちゃいます。
→S先生:
医療従事者側としては、安全に一番は医療してほしいのでなるべくネブライザーで痰を柔らかくしてから取るようにご案内しています。ピンセットとかご使用される方もいらっしゃいますが、粘膜を傷つけたりすると危ないのでお勧めしません。

では、皆さんで体操、発声練習、嗅覚訓練をしていきたいと思います。
 → 準備運動・ストレッチ、発声練習を実施
 → 嗅覚訓練の実施 本日は、生姜と青紫蘇の2種類で嗅覚訓練を実施

○ 司会Tさん

 では、本日の定例会を終了いたします。皆さん本日はありがとうございました。

※ 次回は 7月7日 13時00分 〜 15時00分
  場所はなみきスクエア 2階 第2会議室です。