悠声会九州支部

 

悠声会九州支部第99回定例会報告

1 開催日時

令和4年12月11日(日)13時00分〜15時00分

2 開催場所

福岡県吉塚合同庁舎5階
福岡県NPO・ボランティアセンター会議室

3 出席者

会員 4名  ご家族様1名  見学1名
福岡山王病院言語聴覚士1名   (株)アトスメディカルジャパン 2名   合計9名

4 進行係

Oさん司会進行のもとに進めました。

5 開催内容

○ 司会Oさん

 今月の定例会を始めます。
 先日プロヴォックスの定期交換をしてきました。最近は2か月置きに交換をしています。会員Nさんは半年に1回の交換とのことで、羨ましい限りです。私はフロリードゲルを朝晩必ず使用するようになり、漏れが改善しました。使用前は3週間で漏れることもあり、緊急で交換してもらうこともありました。フロリードゲルのおかげで、次回の交換は3か月後を予定しています。近況報告としては、相変わらずバイクでツーリングを楽しんでいます。

○ 見学Iさん

 プロヴォックスの手術は今年の8月に行いました。質問なのですが、「漏れ」というのはどういった状況のことなのでしょうか?

○ 司会Oさん

 漏れは、水分を飲んだ時に食道側から気管側に水が漏れてしまう状況のことです。プロヴォックスの周りから水分が漏れることと、真ん中の穴から漏れる場合の2種類があります。むせ込みが出るので、漏れた時は自分で分かると思います。真ん中から漏れがある時は、大体はブラシ掛けが不十分で、弁に食べ物のカスが詰まったり、カンジダ菌が繁殖してしまうことが原因です。漏れが生じたら病院を受診した方がいいです。誤嚥性肺炎のリスクもありますから。周りからの漏れは、プロヴォックスの長さを調整すると改善します。先生と相談されて決められたら良いかと思います。

○ 見学Iさん

 ありがとうございます。プロヴォックスには、色々サイズがあるんですね?

○ アトスメディカル

 プロヴォックスは、長さ違いが6種類、太さ違いが3種類あります。大体皆様が留置されているサイズは、太さが一番大きい22.5Frというサイズになりますので、プロヴォックスの外側から漏れた際には太さを変えることはないかと思います。食道と気管の間の粘膜の壁の厚さに対して、プロヴォックスが長すぎることで漏れが生じるため、外周漏れの際にはほとんどの場合長さを短くすることで改善します。

○ 見学Iさん

 そうなんですね、食後とかたまに声が出しにくくなることがあるので、それが漏れってことなのかと思っていました。

○ 言語聴覚士S先生

 食後などは、食べ物がまだ食道側に滞留している状態かと思いますので、お水を飲んでいただき食事をしっかり流し込んでいただくことでお声を出やすくなると思いますよ。あとできれば食事中はあまりお声は出されない方がいいと思います。

○ 会員Oさん

 食事中はしゃべれないのが基本かと思います。自分も友達と食事する時には「食事中はしゃべれないから、食べ終わってからしゃべるね!」と伝えるようにしています。食事がなかなか飲み込みずらいですから、都度水で流し込むようにしていますよ。あとは、うがいをするのも効果的ですよ。

○ 会員Yさん

 特に変わったことはありません。ぼちぼちやっていきます。

○ 会員Fさん

 今年もあと1か月ですね、来年もどうぞよろしくお願いします。マスクをつけて話すと、相手に聞き返されることが多いので、やっぱりマスクしてると声の通りが悪いのかな?コロナのこともあるので、なかなか人前でマスクを外すのは難しいですね。先日学生時代の同窓会があり、私は年に1回くらいは参加するようにしています。自分の中で、病気で声が出ない事で遠慮している部分があるのですが、それでも誰かと話す機会を設けた方がいいと思うので、なるべく参加するようにしています。友達も理解してくれていて、「声良く出るようになったね」とか、「よく聞こえるよ」と声をかけてくれます。同窓会の時はついつい食べながらしゃべってしまうこともあるのですが、やはり皆さんが言うように食べる時はしゃべらない方がよさそうですね。食べ物が詰まって漏れてしまったら怖いですからね。悠声会に参加してからはしゃべる機会も多くなりましたし、知識も深めることができて勉強になってます。
ちなみに私はプロヴォックスの交換は半年に1回ですよ。

○ 会員Nさん

 プロヴォックスの交換は年に2回、3月と9月に行っています。特に漏れもなく順調です。ブラシがけは、それは丁寧に毎日しています。ブラシで取れない所はピンセットで取ったりしてキレイな状態を保っています。先日アドヒーシブを貼っている所の皮膚に水膨れができてしまって、それが破れてただれた状態になってしまいました。アドヒーシブを貼ってもすぐに剥がれてしまって、1日に何枚も貼り替えてました。今はだいぶ皮膚は落ち着いています。

○ 会員Oさん

 数日、アドヒーシブを剥がした状態で皮膚を休ませた方がいいですよ。外出しない時にはガーゼとかエプロンを巻いて過ごされたりした方がいいと思います。私も真っ赤になったことがあったので。

○ 会員Nさん

 そうですね。あとは昔よりも声が出しずらくなりました。昔は腹から大きい声を出すことができていたんですけどね。歌を歌うと、腹式呼吸がしっかりできてよく声が出るんですけど、あんまりやりすぎるのもね、用心します。

○ 会員Oさん

 それでも、すごく良く聞こえますよ。僕なんか空腸再建だから声が出しにくいんですよ。
今日は言語聴覚士のS先生が来てくれましたので、先生からひとことよろしくお願いします。

○ 言語聴覚士S先生

 皆さんお久しぶりです。まずはNさんがおっしゃられていた声が出しにくくなった件について話をしたいと思います。次回プロヴォックスの交換をする時に鼻から内視鏡を入れてもらって、内側から様子をみてもらってもいいかもしれないですね。見えない所に肉芽ができている可能性もありますし、手術をしてから年数も経っているので、相談されてみてください。
あとは今日はちょっと難しい話を少ししたいと思います。

→ 図を用いて喉頭がん、咽頭がん、下咽頭がんの病態生理のご説明と、再建を伴うプロヴォックスの手術の特徴をご説明いただく。
また漏れの話がでましたが、外周から漏れる場合、急激に痩せてしまうことで粘膜とプロヴォックスの間に隙間ができてしまうことも考えられると思います。あとは肉芽ができてしまうことも原因のひとつになります。真ん中から漏れた時はブラシをしたり、プラグでどうにかなりますが、外から漏れてきた時にはとにかく主治医に相談していただいて、漏れの原因をしっかり解決して処置していただくことが重要になります。ただ、漏れるのは稀ですので、過度に心配しすぎないようにですね。

嗅覚訓練のお話

→図を用いてNAIM法をご紹介。においの素をふたつご用意し、何の匂いかを皆さんに当てていただく。本日のにおいは、コーヒーとゆずの香りをご用意しました。
特にゆずのにおいに関しては、柑橘系ということは皆さんわかると思いますが、それが何なのかまで当てるのは難しいと思います。Fさんがマスクをした状態だと、声が聞こえにくいみたいだとおっしゃられていましたが、実はマスクをしている状態としていない状態では、相手に聞こえる音声は変わらないというデータが出ています。声を聞く時には、耳だけではなく、相手の口の動き、表情など様々な情報も必要になるので、マスクで口や表情の変化が見えないことが、声が伝わりにくい原因にも繋がっているのかもしれませんね。
なので、ゆずのにおいも、ゆずの形を連想しながら嗅ぐと、きっと分かりやすかったと思いますね。

○ 司会Oさん

 ありがとうございます。では、アトスさんからもお願いします。

○ アトスメディカルSさん

 皆様こんにちは。今回の悠声会九州支部の定例会で第100回目を迎えられました。皆様おめでとうございます。アトスメディカルジャパンも今年10周年を迎えることができました。ありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

○ アトスメディカル 看護師Sさん

 皆様定例会が100回記念ということで、おめでとうございます。感染症が流行する時期になりましたので、感染対策について少しお話させていただければと思います。

→ 手洗い、うがい、換気など基本的な感染対策予防に関してと、細菌やウイルスを99%カットするマイクロンHMEをご案内。

○ 司会Oさん

 では、本日悠声会九州支部100回記念ということで、皆さんで記念撮影をして終了したいと思います。ありがとうございました。

※ 次回定例会は未定

【 悠声会事務局より訂正です 】
 この時の定例会では「100回」というつもりで進めました。
 終了後、開催を取りやめた回があることが判りましたので、今回は99回とします。