悠声会九州支部

 

悠声会九州支部第110回定例会報告

1 開催日時

令和6年2月18日(日)13時00分〜15時00分

2 開催場所

なみきスクエア 1階 第1多目的室

3 出席者

会員 4名   見学者 3名   見学者ご家族3名
福岡山王病院言語聴覚士 1名  (株)アトスメディカルジャパン 2名  合計13名

4 進行係

Oさん司会進行のもとに進めました。

5 開催内容

○ 司会Oさん

 今月の定例会を始めます。私の周りで、コロナに感染している人がとても多くいます。気管孔から呼吸をしている人は、喉にマスクをするのが一番いいような気がしますね。人工鼻にマイクロンというウイルスとか細菌を通しにくいものがありますので、そちらを使われることをおすすめします。特にこの病気の人は高齢の方が多いので、十分に健康に留意していかないといけませんね。1月に別のバイクに乗り換えました。これが最後なのかなと思いながら、大事に乗っていきたいです。病気になったことで滅入るのではなく、別の趣味を見つけて、残りの人生を楽しんでいきたいなと思っています。バイクが、私が生きる力になっています。これからも楽しんでいきたいです。

○ 会員Fさん

 悠声会に1か月に1度来るのが私の楽しみです。電車の乗り継ぎは意外と頭を使いますし、乗り降りも瞬発力がないと、電車を降りそびれたり、人にぶつかったりしてしまいますからね。周りの人はよくスマホを見ながら歩いている方が多いので、ぶつかってしまうことがあります。私はデジタルが使い慣れていないので、スマートフォンはほとんど使いませんし、電話がかかってきても息子が出てくれます。アナログの方が気を使わないでいいと思っています。今後もスマートフォンは持たなくてもいいのかな、と考えています。

会員Oさん
今の時代はスマートフォンがないと、なかなか不便ですよ。デジタルの時代ですから、コンビニに行っても周りはスマホ決済が当たり前ですし、レジもタッチパネル式になっていて驚きました。飲食店に行っても注文はタッチパネルの所も増えてきましたし、私も少しずつ慣れていかないとなと感じました。頭を使う体操にもなりそうですよね。
会員Fさん
そうですね、私もデジタルに慣れるように頑張ってみます。

○ 会員Yさん

 去年くらいから食事が飲み込みにくくなり、1月に入院して広げる処置をしてもらいました。経過は順調です。全身麻酔でしたが、起きたら福岡山王病院のS先生が声をかけてくれました。
コロナ禍は全然外に出なかったので、足腰が弱ってしまいました。運動のために少し歩いています。なるべく健康寿命を延ばして、子供に迷惑かけないようにしないといけませんね。

○ 見学Oさん

 私もOさんと同じくバイクに乗るのですが、転倒が怖いので、乗るのはもう少し先にしようかなと思っています。車に乗るのも好きで、先週は長崎のランタンフェスティバルに行ってきました。夜の点灯式はすごく人が多く、来年は行くのをやめようかなと思ってしまうくらいでした。プロヴォックスを留置してから7か月目に入ったのですが、漏れもあり、さすがに調子が悪いので来月の病院受診で新しいプロヴォックスに交換してもらおうと思っています。交換したら、今よりも少し上手に喋れるのかなと思います。

○ 見学Kさん(奥様より近況報告)

 主人が10月に福岡山王病院で誤嚥防止手術を受け、11月後半にプロヴォックスの留置手術を受けました。術後はリハビリ病院へ転院し、1月に自宅へ退院しました。術前主人は脳幹出血で誤嚥性肺炎を併発し、痰の量が多く1日中吸引をしているような状況でした。鼻から経管栄養も入っていたので、それが刺激となって痰も増えていたのかと思います。現在は鼻のチューブも外れ、口からご飯が食べられています。痰はまだ多くて声が上手く出すのは難しいけれど、私とのコミュニケ―ションはしっかりとれています。

会員Oさん
誤嚥なく安心して食事がとれるのが一番いいですよね。肺が外の空気に慣れていないから、最初のうちは結構痰が多いかと思います。人工鼻を付けて数か月すると個人差はあるけど痰の量が減ってくると思いますよ。

○ 見学Aさん

 皆さん初めまして。私は脳幹に腫瘍ができ、手術で除去するときに神経を触ってしまったことで嚥下困難になってしまいました。唾液も飲むことができず、最初は鼻からチューブを入れ栄養を摂っていましたが、その後胃ろうを造設しました。その後もなかなか口から食べることができなくて、誤嚥の可能性もあったため福岡山王病院で誤嚥防止手術を受け、その後11月末にプロヴォックスを留置しました。手術をしてからは水を飲み込むリハビリから始め、少しずつ飲みこめるようになりました。S先生にこっそりお部屋でアイスを食べてもいいですよと言っていただき、アイスを食べれたことは嬉しかったですね。食事に1時間以上かかってしまうけど、術後数週間後には常食が食べられるようになりました。退院後にはお寿司屋焼肉にも行きました。最初は家族に苦しんでいる姿を見せたくなくて、一人で食事をしていたけれど、最近は時間がかかっても家族と一緒にご飯を食べられるようになりました。

会員Oさん
私もバイクの仲間と食事に行くときは一番時間がかかってしまいます。けど、周りは気にしなくていいよと言ってくれます。私はその言葉に甘えていますし、それでいいと思っています。Aさんも、周りにたくさん甘えていいんですよ。
会員Aさん
そうですね。主人はお酒が好きなので、晩酌に付き合って私は一緒にご飯をゆっくり食べています。先ほどマイクロンの話があったかと思いますが、それはどんなものなのでしょうか?
コロプラスト株式会社看護師Sさん
マイクロンを実際にお見せし製品のご説明。
ウイルスや細菌の侵入を99%以上カットする人工鼻になります。普段ご使用になられている人工鼻と使用方法は同じで、保険適用で処方を受け取ることも可能です。
福岡山王病院言語聴覚士S先生
一つ気をつけていただきたいのが、永久気管孔の保護も重要ですが、喉頭摘出後も、目、鼻、口などから、感染症、花粉の影響を受けることがあるので、健常者と同様の対策も重要であるということです。

○ 会員Tさん

 喉頭摘出して2年ちょっとになります。近況としては、相変わらず週5日平日は仕事をしています。営業職なので、多い時には1日20件くらい電話がかかってきます。たまに言葉が伝わらず聞き返されることもあるけど、相手も分かってくれているから一生懸命聞いてくれます。分からない時は電話を切ってメールやラインもできますし、私にとったらスマートフォンはやっぱりなくてはならないですね。土日は近所の山を登るようにしています。今日の朝も登ってきました。登山を始めて2カ月くらい続いています。若い時には欲が出てもっと高い山に登ろうかとなっていただろうけど、今は調子に乗らないように、ぼちぼち続けていこうかなと思っています。先月便通が良くないと話しをしたかと思いますが、ヨーグルトを食べるようになって調子がいいです。ただ、安いヨーグルトはダメですね。パルテノというヨーグルトが少し高いけど効果抜群です。お腹の調子が悪い人はぜひおすすめです。

○ 福岡山王病院言語聴覚士S先生

 皆さんこんにちは。3月は法事のため、お休みさせていただきます。
今日は参加されている方で喉頭摘出の方と、喉頭気管分離後にプロヴォックスを留置された方がおよそ半分半分ですね。

では、皆さんで体操、発声練習、嗅覚訓練をしていきたいと思います。
 → 準備運動・ストレッチ、発声練習を実施
 → 嗅覚訓練の実施 本日は、ゆず七味、タバスコの2種類で嗅覚訓練を実施

 今日は肉芽について少しお話をしたいと思います。
プロヴォックスを入れている方は、肉芽という言葉を聞いたことがある方がいらっしゃるかと思います。傷が治る時に肉が盛り上がってくるのが肉芽なのですが、これは人体の正常な反応です。肉芽には毛細血管がたくさん集まっており、そこにコラーゲンが産生されます。コラーゲンのあるところは硬くなりますが、その硬さが脆さにもつながります。傷が治っている最中にまた同じ所に傷が付き、脆いからまた傷が付きを繰り返すことで、ボコボコと不良の肉芽ができてしまいます。プロヴォックスが接している気管側、食道側の粘膜に肉芽ができることが多く、肉芽がプロヴォックスの出口を塞いでしまう事で、声が出しにくかったり、漏れの原因にもなります。
 実際に司会Oさんも肉芽が出来やすくて、ブラシで擦ったら出血がみられたことがありましたね。会員Yさんも食道側に肉芽が出来て、プロヴォックスを押し出しかけたことがありました。プロヴォックスを交換してもらう時には、先生によく見てもらってくださいね。肉芽ができる原因は色々あるけれど、無理にブラシ掛けをしてしまったり、胃酸の逆流の刺激で起こりえることもあります。何かおかしいと思った時には早めに先生へ相談してください。

○ 見学Aさん

 漏れの時はプラグを装着すると教えてもらいましたが、経験がないので少し怖いです。どういった感じなのでしょうか。

→ コロプラスト株式会社看護師Sさんより、見本を用いて説明。

→ 会員Oさん
漏れて肺に水が入ると溺れるのと同じですからね。プラグの付け方も、少しコツがいりますので練習しておいた方がいいですね。

○ 司会Oさん

 では本日の定例会を終了したいと思います。皆さん本日はありがとうございました。

※ 次回は 3月10 日 13時00分 〜 15時00分
  場所はなみきスクエア 1階 第3多目的室です。