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平成2208月15日(日)13時〜15

東京ボランティア・市民活動センター

飯田橋 セントラルプラザ 10階B会議室

出席者・患者25名+家族同伴者9

言語聴覚士・亀井先生、石川先生、相川先生

総計 39

 〔土田幹事から挨拶と報告〕

 定刻になりましので、例会を始めます。

まず、本日見学に来られているお二人の方を紹介します。Cさん、宮城県にお住まいですが、娘さんが埼玉県在住で、今日はお母さんと三人で見学です。次にKさん、埼玉銀鈴会で食道発声を練習されております。平成19年に手術されて昨年12月に癌研患者交流会で一度お会いしております。プロヴォックスを入れることを考えて居られていて実際の発声を聞きに来られております。

 

以下報告事項を報告します。

@    悠声会のNPO法人に関して役員変更の伴なう手続きに関して、設立時点に既にTさんが死去されていて、法務局から手続き事務処理の一部手直しの指示されて、その手続きが全て完了しましたので、法務局からも正式な承認を受けました。

A    日常生活用具申請の件で、町田市に陳情した際に、市側から都が50%補助する品目リストがあって、その中に加えて貰えば市区町村で一挙に解決出来ると情報を得て、この件を上川世田谷区議にも力添えを頂いていますが、町田市側から教えて貰った経緯もあり、近々私達で都庁に陳情に出かけたいと思っております。なお、生活用品として来年度から認められる見通しとして、町田市ではおそらく70%程度は予算が認められると予想しております。八王子市にはKさんがこれまでも陳情されておりますので、次回は土田も同行したいと考えております。来年度に45ケ所の市区町村で認めてもらいたいと期待しております。前にNさんが渋谷区に陳情されたと聞いており、世田谷区で認められたら隣の渋谷区も認められる可能性が高いとのことで、その後を確認したいと思っております。

B    本日皆さんに配布したコピーは87日発売の婦人公論に「時代を創る女たち」の記事で上川区議へのインタビュー記事が6ページに渡って載っていてその中で土田へのインタビューのページを参考に配布しております。

C    NPO法人となった悠声会に入会金と年会費を払い込んだ正式会員は現在56名です。これには悠声会ホームページを見て大阪、九州、静岡などの方から入会希望があり郵便振込して申込みを済まされた16名の方々も含まれております。当然会員になられると思われる方で入会手続きの済んでいない方も居られますので、途中経過ですが、会員リストの原稿を回しますので、自身の欄を間違いないかチェックをお願いします。

D    新潟県立がんセンター病院で99日に喉頭摘出者患者交流会を発足するので悠声会からも発足会に参加要請があります。悠声会からも数名の参加をしたいと思っております。八王子の「オオルリり会」に続いてまた新しい患者交流会が出来て、相互に協力して行きたいと思っております。

E    今日は例会終了後に暑気払いを計画しております。参加出来る方はご参加願います。因みに現在参加出来る方はどの位か挙手をお願いします。結果18

F    赤木先生の手術の件はご自身が出席されているので、ご自身からお話して頂きます。

 

 

各自の自己紹介・現状報告

HKさん】

本日は三つ報告があります。

1,前回注文頂きました両面テープは出来てきておりますので申込まれた方は取りに来て下さい。また多少は余裕ががありますので、前回注文されていない方でもご希望の方は相談ください。

2.以前 Tさんが個人的に試作されていたベースプレートを製造してくれる業者の方を探しておりました。その一つの有力メーカーから断りの回答がありました。その理由はやはり薬事法の関係で健康に係わる用品の製造には資格やら許可が必要ゆえと。

明日もう一軒業者の方に面会してお願いしてみます。

3,前にNさんが試作された嗅覚を訓練する試作品に関してチューブが細い為か水がすぐに上がってくるので、練習になりその結果か個人的には以前より臭いを感じられるようになった気がします。ご関心のある方は悠声会ホームページに詳細が掲載されておりますので試作して練習してください。

 

 IAさん】

 実は下咽頭摘出してから4年半になりもう大丈夫かと思っておりました。今年の5月位から舌に何か腫瘍らしきものが出来ていて自分では気になっていました。歯科に通っていたのですが、歯科医師からは「ご自分が医師なので診断してください」と言われ触診すらしませんでした。それで723日の癌研の定期健診の時に検査をして貰ったらすぐに悪性と判明して730日に6×4pの舌の部分を切除しました。術後すぐに舌も動かなかったのですが、舌を動かす練習を個人的にして、その後に母音の発声練習をしてその後にこの程度には話しが出来るように回復しております。下咽頭手術をされている方は舌とか食道への転移の可能性が高いので年に一回は内視鏡での検査をする事をお勧めします。

 

 【S・Kさん】

 A先生に比べると私などはたいした苦労はしていないと感じております。平成18年に全摘手術をして3周後の191月〜2月に癌研でプロヴォックスを入れて3年半経っております。これまでに転移も無く来年で5年経過となります。プロヴォックスを入れたばかりの時期は声の出はあまり良くなかったですが、取り合えず声が出ればよいと考えておりました。特に食道発声法の練習が12年も掛かる事と比べればはるかにましと思っております。ご自分では大して上手くなっていないと思われているでしょうが、毎月のこの例会に来られている方は確実に前月よりは上手になっております。話をしていれば上手くなります。私も少しでも参考になればと思っております。

 

 【T・Iさん】

 喉頭摘出とプロヴォックスを同時にして85日で丸一年になります。お陰様で順調に過ごしております。K病院では人工鼻(HME)を月に20個まで保健で提供してくれる事に成りました。プロヴォックスの交換は3ケ月ごと程度でしております。食事の時はプラグを使うと調子が良いです。術後と比べて体力も回復して来たので、仕事も現役で続けております。

 

 YAさん】

 下咽頭手術をしてその病院ではプロヴォックス手術をしていなかったので、プロヴォックスを入れる手術をするまでに紹介状を入手することなどで1年掛かりました。Tさんから私の話し方は力が入りすぎると指摘されておりますが、先日100名の学生の前で話しをすることが出来ました。食道再建をしているので蠕動運動が始まると話は出来ません。5年位経てば少しは収まるとかですが余り期待しておりません。痰が異常に出て困っております。以前ヘビースモーカだったので致し方ないのでしょう。K病院では漢方センターもあるので相談しても見ようかと思っております。現在悠声会のホームページを作っております。色々な方が見てくれており、北海道の方から入会の申込がありました。少しは役に立っていると思っております。その中に「患者の声」の項目があります。これを読まれた方は勇気付けられたりプロヴォックスを知らない方にその存在を知らせられたり、下咽頭手術では声が出にくいのでプロヴォックスを利用すれば声はまず出ることを知らせられます。ですので、是非皆さんからの記事の提供をお願いします。ホームページに掲載時には匿名にしますので 気楽に記事の投稿をお願いします。

 

 【O・Nさん】

 8月で手術して2年になります。あっという間に過ぎた感じがします。プロヴォックスを入れたので喋れるようになりました。渋谷区にHMEとアドヒーシブの日常生活用品認定の陳情を一度はしております。再度プッシュしたいと思っております。

 

 YHさん】

 八王子から来ております。1年ぶりで学会に出席して、簡単な発言が出来るようになりました。商談でコミ二ューケーションが出来て、特に直接の話は通じているので多少は自身が出来ております。

 

 ASさん】

 横浜から来ております。昨年1215日に喉頭がんの手術をして1月末にプロヴォックスをいれました。先月末に交換をしたら以前より楽に話せて調子が良いです。半年に一回の交換が必要と感じております。現在一番困っていることは、食事に時間が掛かることです。1時間は楽に掛かります。飲み込みが悪いので、口の中で噛み砕いて細かくしてゆっくりと少しずつしか飲み込めません。医師に相談しても食道が極端に細い訳でもないので何とか工夫して見てくれと言われました。何か良い方法があれば教えて頂きたくお願いします。役所への陳情の件ですが、息子が私とは別の障害者で選挙の関係で横浜でみんなの党から当選した参議院議員と話しが出来るようになったのでプロヴォックス関係のお願いをしております。何か進展があれば報告します。

 

 【Y・Mさん】

 7月に手術して1年、11月にプロヴォックスを入れました。肩に転移してそれまでに放射線治療をしていたので、肩の治療に放射線が出来ませんので、サイバー治療をして驚くほどの効果がありました。それで今回参加できております。この8月は抗癌剤治療はお休みで又来月から再開となります。10年前に胃摘出をしており、食事に時間が掛かり食後すぐには横になれません。それで食事には大体2時間程度掛かります。様子をみながらボチボチとやっております。

 

 【K・Mさん】

 5年前に全摘手術をして、その後年に一回PET検査をしております。先日PET検査結果が出て無罪放免になり、今後は半年に一回程度の健診となりました。昨年2月にプロヴォックスを入れました。それまで食道発声を練習しましたが、気の短い私にはじれったくて練習をやめました。その教室に土田さんが来てプロヴォックスの話をしてくれて、あれこれ考えることをせず、すぐ入れました。手術後すぐに声が出るし、退院後喋っています。土田さんや上川区議のご努力は感心しておりますが、人口肛門などは当然日常生活用具になっているのに、どうして人工鼻などは認められないのでしょうか、おかしいと感じています。

 

 KYさん】

 武蔵村山から来ております。プロヴォックスを入れて2年半になります。食道発声を4年もしていたので、その癖が強くて困っています。今朝も取り替えて来たのですが、あんまり上手く喋れません。7年前に下咽頭がんの手術をして、昨年5月に再発してまた手術。プロヴォックスが上手く行かなくて、一生懸命に話すと口から血が出て、2月に癌研の先生に相談したら、喋り過ぎないようにとのこと。話を頑張ると血圧が上がったり、その後急に下がったり、痰を取る時に目が回ったりしております、時には手がしびれたりしております、7年経ってもこの様な状態ですのでおそらく終生このままなのかと思っております。それでも最近は日に3時間程度は仕事を楽しんでおります。

 

 K・Nさん】

 このところ2回例会をお休みしました。睡眠が取れないし、食事もままならず、調子が悪く診断の結果うつ病と診断されました。気力も無くやる気も出ず一時は自殺まで考えました。心療内科で治療をして体重も75キロに戻りましたが、辛い思いをしておりましたが、

このところ大分調子が良くなって出かけて来ました。悠声会の仲間が増えて嬉しいです、今日は飲み会もあるようで楽しみです。

 

 【Y・Mさん】

 埼玉から来ました。食事には時間が掛かります、少なくとも1時間は掛かります。早く食べるのは無理ですので、仕事仲間とはランチは一緒に出来ません。時間の無い時はカロリーメイトと飲み物などで済ませております。でも喋れるので良しとしております。6月にプロヴォックスを入れて、先日短い物と交換しました。声が出やすく調子が良いです。

 

 【S・Mさん】

 6ヶ月前にプロヴォックスを入れて、2ヶ月の間隔で交換しております、先程Sさんが1月に入れてから最近2回目とかで、私とは随分と違うと思っております。7月に出張先で漏れ始めて土田さんに電話で相談して、もう帰宅するしかないのではといわれましたが、少し収まって来たのでそのまま出張をしていました、87日に検査をしましたら肉芽が出来て密着出来ず漏れが生じることが判明しました、昨日肉芽を焼いて良くなりました。でもまだ水を飲むと少し漏れたりしております。プロテーゼがもう少し持たないと困ります。首の周りの腫れも少しは引いて来た気がしております。その内もう少し良くなると思っております。

 

 【S・Tさん】

 来週で手術して10年になります。私は食道発声法で話しをしております。この会に来て何時でもプロヴォックスの方の声量には羨ましいと感じております。発声時の空気の使用量が全く違うので致し方ないのですが、羨ましいです。これからも色々と勉強させて頂きたいと思っております。

 

 【S・Wさん】

 私も食道発声法で話しをしております。プロヴォックスの方のお話を聞いて色々と参考にさせて頂いております。今後ともよろしくお願いします。

 

 【各自からの報告・質問等】

 【土田幹事より】

 障害者日常生活用具の給付について、私は勘違いをしていたかも知れません、該当者が多い方が取り入れられると思っていましたが、町田市に陳情に行った時の感触では、障害者に取って必要性が高くて、尚且つ自治体に取っては、該当者が少ない方が取り入れ易いようです。従って私達悠声会に取っては全体では大勢ですが、其々の地域別を見るとせいぜい23人程度ですから、その意味では予算の確保は実現出来そうな気がしています。

 

 【Y・Aさん】

 病院の医師から聴いたのですが、プロヴォックスの普及にはプロテーゼの交換が保健適用にならないとなかなか普及しないのではと、現在プロヴォックスの手術自体は保健適用されておりますが、その交換は保健適用されておらず各病院でその扱いが異なっている現状です。その為にはプロヴォックスを使っている人数を増やすことが肝心と思います。なお、K病院ではカセットを保健で提供してくれますが、アドヒーシブはまだ認めておりません。埼玉県は保健適用されるとその自己負担は後から戻ってきます。

 

 【I・Aさん】

 食事の時に飲み込みが悪いのは、手術の時に咽頭を取るのですがその回りの筋肉も少し取ってしまうので、飲み込みにくくなるのです。バルーンで食道を拡張する方法もありますが数日で戻ってしまって、あまり有効な手段ではありません。舌の奥で空気を食道に押し込んで呑み込みの練習をすると呑み込みが早くなります。これは食道発声法の呑み込み法のやり方と一緒です。練習してください。Yさんの場合は明らかに過換気症候群でくらくらしたりするのです。ゆっくり落ち着いて話してください、一度にたくさん喋るのはおさえてください。うつ病は珍しい病気ではありません。整形外科に手足の痛みを訴えてくる方は多いです。その内には外科的には問題なく、うつが原因のこともかなり有ります。特に眠れないとか、やる気が出てこない、死にたいなどの症状の時には心療内科とかメンタルクリニックで相談されると良いです。特に最近中高年のうつ病が多くなっており、大きな手術をされた方もうつ病になる可能性が高いのも事実です。

 

 KMさん】

 手術後に甲状腺からのホルモン薬を半年位飲んでおりましたが、その後検査してやめました。甲状腺ホルモンの少ない方は うつ病になりやすいと聞きました。

 

 IAさん】

 甲状腺ホルモンは片一方の甲状腺からだけで充分なので 血液検査をすれば投薬が必要か否かはすぐ解ります。

 

 【土田幹事より】

 報告事項の追加事項

現在の会員数は56名ですが、名優さんに賛助会員になって頂きまして、5010万円の賛助金を頂いております。報告致します。

 

 HKさん】

 舌癌になられた、A先生へ、事前に何か自覚症状がありましたか?私はお酒大好き。

 

 【I・Aさん】

 自分で舌の腫瘍部分を触ってこりこりしているのでやばいなとは感じておりました。腫瘍で柔らかいと問題ないのですがこりこりしていると問題です。歯科医師は専門外は知識も何もないので 触診さえもしないので全く分からないのが実態です。それと、お酒を飲み始めた頃に すぐ赤くなった人は元々アセトアルデヒドの分解酵素が無いので癌の発症率は20倍となりますので、飲酒は危険です。

 

 【見学のHさんの家族から】

 プロヴォックスの交換頻度はどの位の期間となるのでしょうか?

 

 I・Aさん】

 平均は取ったことはありません。Tさんが68ケ月とか言っていました。一般的にはカンジタ菌が繁殖すると弁が動かなくなるので交換せざるを得ないのです。

 

 【H・Kさん】

 個人差がありますので平均は意味があるか分かりません。私の場合はカンジタ菌が繁殖しないように薬を塗るメンテをしながら使っております。

 

 【Hさんの家族さん】

 解りました、有り難うございました。

 

 【土田幹事より】

 では時間になりましたので、例会を終わります。有り難うございました。

 来月は19日です。来月(9月)にスウェーデンのアトス社社長が来日します。18日の癌研有明病院の
   患者交流会と翌日19日の悠声会に参加の予定です。悠声会終了後にアトス社長を名優社長が
   新宿の末広に落語を招待するので、その際悠声会からも20名位同行可能とのこと。その後に
  食事会を予定しているとのことで参加出来る方は予定して下さい

 

 9月19日はアトス社社長の見学があります。大勢の方の出席をお願いします。

 

以上

 

発行者:土田義男・高野 茂