悠声会九州支部第４４回定例会報告
１ 開催日時
平成２８年２月７日（日）１３時００分〜１５時００分
２ 開催場所
福岡県吉塚合同庁舎５階 会議室
（福岡県ＮＰＯ・ボランティアセンター）
３ 出席者
会員１１名 見学者１名 家族４名 言語聴覚士１名 合計１７名
４ 進行係
今月は、Ｋさん司会進行のもとに進めました。
５ 開催内容
○ 石川先生
・ アンケートの説明
「気道食道シャント（Provox）使用者に対する実態調査」について
○ 見学者の紹介（支部長）
福岡県北九州市から、Ｋ様(男性７６歳)です。ＥＬを使用されていて、同じ受診病院にて悠声会九州支部会員と会われ、シャント法に関心を持たれての見学です。
○ 会員Ｙさん
私は、別の喉頭摘出患者団体にも入っていて、シャント発声のプロヴォックスがどういう利点があるか、マイナスがあるかを説明しています。
○ 会員Ｆさん
ＥＬ使用からシャント法に替えて良かったことは、健常者と同じように普通に話せるメリットがあります。ＥＬでは電車の中とか待合室とかで一寸話すのに勇気がいります。シャント法のデメリットとしては、手入に手間がかかり、プロヴォックスを３ヶ月から６か月ごとの交換や医療費等が掛かることです。個人それぞれに症状が異なるので、食道発声、ＥＬ、シャント発声等自分に合った発声法をされたらいいと思います。
○ 会員Ｎさん
物を飲む時漏れていたので、飲み方の研究をして上下左右向いたりしてみましたが、一番漏れにくいのは真正面よりちょっと上を向いたくらいで飲んだ方が漏れにくい気がします。下を向いた時に一番漏れやすいので、このメカニズムがどうなっているのか、また喉頭摘出者が風邪を引いた場合どんなふうになるのか教えてもらいたいです。
※ 回答（石川先生）
飲み込みに関しては、人それぞれと思いますが、圧力が関係していると思います。通常皆さん下を向いてしまうと喉の形状が一寸狭くなります。空洞のところが狭くなるので、鶏の様に少し前傾にすると首が出てきて圧力が下げられ、スペースが広がる分、逆流しづらくなります。また風邪による声の変化は起こらないはずで、咽頭接合部に炎症は起こらないはずです。ダイレクトになると風邪をひきやすいですが、皆さんＨＭＥを付けられていて予防になっているのではないでしょうか。
○ 会員Ｔさん
私事ですが、お蔭さまで来月の３月３日で、声をなくしてからまる６年を迎えます。何とかこれまで大過なく過ごせてきていることに感謝しています。
○ 会員Ｍさん
今朝から雪がちらついて、来たくないなと思いながらも息子に送ってもらって来ましたが、何だかんだ言っても雨にも負けず雪にも負けず出てくるのは、やはり仲間の皆様と一寸でもお会いしたいなという気持ちからです。
○ 会員Ｎさん
プロヴォックスにしていろいろ試行錯誤しています。言葉は何とかなりますが、食事に多くの時間を要することです。食道再建で二カ所縫い込んでいるので、そこの部分が狭くなって食べ物の通りが悪くなっていると思います。
※ 回答（石川先生）
食道再建の方は、オペの方法により広くなっている人、狭くなっている人それぞれで、狭い分、声は出しやすいけれども食べる時に大変な状態になっていると思います。
○ 会員Ｏさん
ＥＬを使用していましたが、シャント法を知って手術を受けました。ＥＬでも十分話せてよかったのですが、一番困ったのは電池が途中でなくなり直ぐには準備できなかったことです。シャント手術の費用に関しては、更生医療の適用を受けました。更生医療の申請は、病院が更生医療適用機関であること、医師が更生医療の指定医であることを満たせば市町村に相談されて市町村からの書類を持って行くと受けられます。
○ 会員Ｔさん
長年の悩みで、遊離空腸食道再建をしていて、痰のねばねばが出てきて声の通りも悪く、ねばねばがプロヴォックスの周りに溜まって、声がピリッと出てこなくて濁ったような感じで会話が長続きしないです。痰の飲み込み、ねばねばがスッキリする方法があれば教えて下さい。
※ 回答（Ｋさん）
プロヴォックスの弁の周りに痰等が付着している場合は、フラッシュで水を流すことにより弁の動きが良くなるので、こまめに掃除すると良いと思います。
今回は、定例会と併行して石川先生からカウンセリングをしていただき、日常の困りごと等へのアドバイスを受けることができ、また見学者の方は、「いろいろ教えて頂き大変参考になりました。次回例会にも見学させて頂きます」と大変喜ばれていました。近況報告では、日頃気になっている問題点、疑問点の質疑応答や会員相互のフリートークで楽しく語り合う例会となりました。
※ 次回は、３月６日(日曜)、時間は同じで、場所はＮＰＯボランティアセンター５階フロアです。
Ｎさんの司会で行います。
悠声会九州支部
支部長 口石清人