86回定例会

第86回　悠声会報告書

開催日時　平成２６年１０月１２日(日）13：15～15：00

開催場所　東京都障碍者福祉会館　２階　Ｂ１集会室
　　　　　　　リハビリはＣ3集会室にて実施

出席者　患者＋家族同伴　亀井先生、金﨑先生、吉田先生、森川先生　アトスメディカル名優５名　　計４７名

【司会鈴木さん】
10月の通常の例会を始めさせて頂きます。
いつもの様にまず土田会長からご挨拶と報告事項からお願いします。

１．【土田会長から挨拶と報告事項】

【土田会長】
報告事項が３つ有ります。

まずはＥテレに出演して放送されたことを報告します。ご覧になられた方も多いと思います。一昨日の癌研有明患者会のかえりの電車で突然見ず知らずの方から「この間テレビに出演されていた土田さんですね。」と直接言われてテレビの影響力はすごいと思いました。
9月28～29日に第3回バス旅行を実施しました。宴会も大いに盛り上がり事故も無く無事帰宅しました。
一昨日癌研有明病院の患者交流会に役員と一緒に出席しました。

２．【各自の自己紹介・現状報告】

【岩瀨副会長】
　副会長をしております岩瀬です。横浜から来ております。5年前に喉頭摘出と同時にプロヴォックスを入れて貰い退院時には喋っておりました。ラリボタンは気管孔の形状で使えません。これまではフレキシダームを長い間使っておりましたが、新製品のスタビリベースを今は使っております。これは楕円形で通常は縦方向に使うようですが私には横にすると調子が良いので横方向で使っております。
　我々は嗅覚も感じられないと思いがちですがトレーニングをすると健常人の6～7割は回復しますし、口笛も吹くことが出来る様になります、色々とトライするべきと思います。

【高野理事】
　私は皆さんと違って食道発声法で喋っております。でも、いつでもシャントの方の声を聞くとその大きな声が羨ましいです。

【嘉村理事】
　喉頭摘出手術をしてから来月で10年になります。プロヴォックスを入れて7年半ですが熱心に喋らないのでなかなか上手になりません。これからもよろしくお願いします。

【若月監事】
私は食道発声を5年しましたが、勉強嫌いですので上手になりませんでした。幸いこの会でプロヴォックスを入れると大きな声になる事を知り、2年前にプロヴォックスを入れました。これまでの声とは違って大きな声で73歳ですが入れて良かったと思います。

【司会鈴木さん】
　司会を担当しております、鈴木です。プロヴォックスを入れて5年近くになります。今振り返って入れた当初は今と比べて今の方がかえって声が出なくなったのではと感じております。なぜそんなことになるのか不明ですが、声を良く出すことが大切と思います。仕事を離れてから2年になり仕事をやって居た頃と比べると喋る機会が減った為かもしれません。この会でも喋るトレーニングと思って司会をやらせていただいています。

【Ｈさん】
　国分寺から来ております。プロヴォックスを入れてからちょうど5年です、10月に入れたので。今はフリーハンズにして4年位です。まだ会社を経営しており、この頃やけに忙しいです。喋る方はなかなか上手くならない。仕事上では喋る事はほとんど無く　パソコンが中心です。元々声は低いし空腸が怠け者なのか、掠れ声がちょっと気になります。

【Ｋさん】
　千葉から来ております。私は60歳までは大病などなく過ごしておりましたが、ある時の健康診断で「大きな病院で診て貰え」といわれました。すると、「既に手遅れでステージⅣ」と言われ「声を失うことになる」と言われました。頭は真っ白ですが、取り敢えず手術を受けました。その後4年間は食道発声を毎週金曜に通っても声が出ませんでした。新聞などで悠声会を知りシャント発声をやりたいと主治医に言うと出来るよと。医者には知っているならなんで教えないのか、この4年間はなんだったのかと文句も言いました。
　約一週間の入院ですぐに声が出る様になって人間が変わりました。声の出ない苦しさを知っておりますのでこれからも新しい患者に同じ思いをさせないよう頑張りたいと思います。

【Ｋさん】
　千葉から来ております。この中でおそらく私が一番の年寄りと思います。
　私は声が枯れて医者になんともならないと半年後に大きな病院を紹介され一日中検査し放射線治療を35日やって、その後1年で再発。検査入院を2回して切ました。手術後も声が出ると言われたので悪い所は全部取って貰い、始めからプロヴォックスを入れて貰ったので、声の出ない辛さを知りません。退院時から喋れました。有難かったです。

【Ｍさん】
　和光市から来ております。今日はフリーハンズを外して来ましたので手で押さえて喋っております。　悠声会には4回目の参加です。私はスタビリベースを貼って気管孔が深いためか調子が良いです。
　先だって8月11日の会長と福島先生と私も少しテレビに出させて頂き、そのテレビの反響の大きさにビックリしております。

【Ｍさん】
　横浜から来ております。私は60歳で胃癌手術をし、70歳で喉頭癌手術をして5年半過ぎました。会話が一向に上手になりません。
　毎日12000歩を目標にして歩いております。昨年は440万歩を歩き、今年は目標として一日13000歩を歩くことにしており、雨の日も風の日もくよくよしないで頑張って行こうと思います。

【Ｎさん】
　いつもお会いの方はご存知ですが。亜全摘手術で喉頭が三分の一は残っており声も出ます。北里大で手術を受けましたが、これまでに120名が手術されたと。シャント手術と比べると随分と少ないく今はシャントが主流と思います。
　シャント発声の方が喋っているのを聞くと大きな声で喋っているのですが、亜全摘の患者の中では私の声がベストと言われております。それと比べるといかにシャント発声が良いかお分かりと思います。これからも頑張って行きたいと思っております。

【Ｎさん】
　鶴見から来ております。会社を辞めてまだ2ヶ月。まだ子供が小さいのでしょっちゅう「勉強しろ」とか「ゲームばかりするな」とか言っております。会社の時より喋っているのではと思います。今フリーハンズをしておりますがいつもフリーハンズは使わないで指で押さえて喋っております。

【Ｋさん】
　海老名からです。プロヴォックス入れて4年3ヶ月です。プロヴォックスの寿命といいますか、交換は長くて1年2ヶ月、短い時は2ヶ月もあります。8月に交換しましたが1ヶ月も過ぎないで漏れ始めてどうしたのかなと思って病院へ交換の申込をしてその3～4日前に洩れなくなって、医師からも洩れないのなら交換はやめましょうとなりました。ブラシの掃除は毎日やっております。

【Ｙさん】
　横浜から来ております。プロヴォックスを入れて悠声会で亀井先生に指導を受けてから声が出る様になりました。フリーハンズで喋っております。この会でお会いした方の数名で懇親会をしております。声が出る事また色々な方にお会い出来る事を喜んでおります。私も幸せです。

【Ｏさん】
　この間のバス旅行には先輩3名と一緒に連れて行って頂きました。とても楽しかったと先輩方からも「皆様に宜しくと伝えて欲しい」と言われております。ありがとう御座いました。

【Ｉさん】
　大田区から来ております。去年5月に摘出手術を受け、プロヴォックスは12月に入れ、この会にはその時からお世話になっております。当初は声が出ませんでしたが、毎月の例会とフリーハンズ教室に通ってこの様に喋れる様になりました。妻が仕事をしているので声を出すのは週末と趣味のゴルフの時位です。

【Ｋさん】
　西東京市から来ております。喉頭癌になり、放射線治療をして亜全摘もだめで、ついに全摘を3年前にしました。まだ手術の時に肩の皮膚を使ったりしたのでその影響があります。3年前に悠声会に入りお世話になっております。

【大屋さん】アトスメディカル名優社
　12月14日の講演会をご案内しております。元衆議院議員の与謝野薫先生がプロヴォックスを入れて居られます。6月に医療関係者向けに講演をして頂きましたが好評であり、今度は一般の患者さん向けとして計画しております。12月の悠声会の例会の前ですのでご参加ください。人数確認の為にパンフレットに申込みを記入して頂きたく思います。

【土田会長】
　当日は例会のある日ですが、場所が品川駅すぐですので、終わってから例会には充分に間に合います。なお、会場が700名程度入る所と聞いておりますので、せめて100名程度は集めたいので是非皆さんのご参加を希望します。
　先ほどの報告事項の所で忘れていたので付け加えます。
5日の女性会員の座談会はスウェーデン大使館で開催した事もあり雰囲気も良く、集まった皆さんは襟元を綺麗に着飾って来られました。相川先生の司会と指導で進めたのですが、私は喉摘者の声は男女とも変わらないと思っておりましたが、全く女性の声で楽しく喋られていたので、皆様に報告させて頂きます。非常に楽しい会となりました。

【Ｍさん】
　足立から来ております。今の会に来るたびに皆さんが上手になっているのを感じます。私はプロヴォックスを入れて5年位になりますが、なかなか上手になりません。練習しようとは思うのですが、なかなか出来ないのです。これかも頑張ろうと思います。

【Ｈさん】
　鶴見から来ております。まだ現役で仕事をやっております。仕事はスポーツ・文化関係イベントの企画、実施です。スポーツはゴルフ、テニス等で、文化はコンサート、ディナーショウ、トークショウ等です。これからはクリスマスのデェナーショウの時期で忙しくなります。
　声は喋ると上手になる様です。喋らないと声は出難いです。私は独り者ですので、土日はほとんど喋る機会が有りません。先日昔のカラオケを取り出して歌って見ました。なかなか調子が良かったので、皆様にもお勧めします。

【Ｈさん】
　大田区から来ております。私は調理師ですが臭いも香りも感じません。ですが問題なくやっております。無論会社にはそんなことは言いませんが。調理は18から68歳まで仕事としてやっており美味しく作っております。美味しい物は自分でも分かりますし気持ちを込めて作るのが美味しくなると思います。これからもまだまだ仕事を続ける積りです。

【Ｓさん】
　多分私が一番近くから来ておると思います。隣の品川からです。プロヴォックスで喋って、食べながら喋りたいのですが、食事をしながら喋れません。咽るのです、お酒は大丈夫なのですが。旅行に行った時に行った先で洩れるのも困ります。

【Ｆさん】
　先月入会して、今日で二回目の出席です。前回入会して皆さんから勇気と希望を頂きました。一ヶ月努力して少しは喋れる様になりました。まだ長い事は喋れません。よろしくお願いします。

【Ｈさん】
　西東京市から来ております。私は朝は大丈夫なのですが、夕方になると声が出難くなります。どうしてなのか教えて頂きたく思います。お願いします。
【Ｕさん】
　江戸川から来ております。11月で下咽頭手術をしてから丸2年で、1年半後にプロヴォックスを入れ6カ月が経ちます。手術後1年半は銀鈴会で食道発声をして「あめ」等の5つくらいの単語は出来る様になりました。プロヴォックスを入れて始めから5音程度は喋れて、「だるまさんがころんだ」が10音ですぐに言えました。今はイロハ歌留多を一息で言えるようになりました。個人的なリハビリとしてやっております。何か良い練習方法が有れば教えてください。

【Ｉさん】
　千葉から来ております。余り私から話すことは有りません。プロヴォックスで喋る時はフレキシダームは手で押さえる方法で、スタビリベースはフリーハンズを使っております。これからもどうにか頑張って喋れる様になりたいと思っております。

【Ｃさん】
　町田から来ております。5年前の2009年10月プロヴォックスをいれました。摘出手術はその2年半前の2007年に下咽頭手術で空腸移植です。5月に新製品のベガを日本で初めてつけて頂きました。5年も経つと今まで全く喋れなかったのが喋れるのが当たり前となっております。プロヴォックスを付けて喋れる感動を忘れてはいけません。何しろ手術後翌日から喋べれた時の感動を。話が出来なかった者が話せる様になった感謝を忘れない様に。
　私は始めからラリボタンとフリーハンズで喋っております。ベガとプロヴぉオックスⅡとの違いは余りないです。私にとって明らかな違いはフリーハンズ本体の中の弁が固いグリーン、中間のブルー、柔らかいホワイトとあります。以前はブルーかグリーンでしたがベガにしてからはホワイトが喋り易いと感じます。ベガは少し硬いのでしょうか。

【Ｉさん】
横浜から来ております。この悠声会は主治医から紹介されましたが、なかなか来れなくて既に半年位経ちました。一言でも喋れた時はうれしくてまたびっくりもしました。まだ第１声が出難いので気長にやります。

【Ｋさん】
　練馬から来ております。皆さんから色々と話を聞いて為になっております。もう少し喋れる様になりたいです。大きい声とか小さい声とかコントロールが出来ません。痰さえ詰まらなければもう少しまともに喋れるのですが詰まると何も言えません。その辺りを練習したいです。これからもよろしくお願いします。

３．質疑・応答　他

【司会鈴木さん】
　皆さんのお話しは終了したようです。　いろいろと質問などがありました。Ｓさんからの質問でフラッシングをするとブラシをやらなくてよいのでしょうか？

【岩瀬副会長】
　プロヴォックスの弁に痰とか何かが付くのをフラッシングをやるとそれを洗い流す効果があると思います。もちろん併用するのが良いと思います。

【司会鈴木理事】
　Ｕさんから何か良いリハビリの方法との質問がありました。「イロハ歌留多」を一気にやるのは良い練習と思います。以前河村さんはアナウンサーのやる「あえいうえおあお」等がありましたが、Ｈさんは何か勉強されているのではありませんか？

【Ｈさん】
　とにかく多く喋ることではありませんか。

【土田会長】
　何としても喋る事です。毎月例会の翌週の水曜に今月は22日ですが10名位のフリーハンズ教室として少人数でやっております。例会より人数が少ないので喋る機会が多いので、もし時間のある方は参加されては如何でしょうか？

【Ｏさん】
　食事をしている時は話が出来ないのですが？

【岩瀬副会長】
　食道発声もシャント法も共に食道（新声門）が音源で声を発生させています、食事の時は食べたものが食道内に在るので不可能ではないですが喋り難くなるのが通常と思います。

【司会鈴木理事】
　森川先生久しぶりに来られているので何かお話しをおねがいします。

【森川先生】
　言語聴覚士をしております。食道発声の方は単純喉摘の方で89歳が最高齢で今は91歳です。プロヴォックスは81歳が最高齢でいまは83歳です。年齢も関係あるかも知れませんが本人が話したい気持ちが一番で主治医の先生の考え方と合うと良いのですが。
　2年前の時は喉頭摘出したらプロヴォックスを入れるのが私の病院では基本でした。その中で喋りたい方は良いのですが、病院でのリハビリでは喋るのですが家に帰ると喋らない方も居られます。それと手入れ（メンテ）を億劫がる方もいて手入れをしないとただの飾りになってしまいます。手入れが有る事を説明する機会も無かったこともありました。大体半分の方は上手に喋っておりますが、最低限のメンテもしないでプロヴォックスを入れなければ良かったと言う方もいらっしゃいました。やはり本人の気持ちが重要と思います。

４．司会の鈴木さんよりの閉会の挨拶

【司会鈴木さん】
　本日は、ご苦労様でした。
なお、来月の例会は11月9日（日）を予定しております。また、フリーハンズ教室は来週10月22日（水）ですので希望の方はご参加ください。12月14日の与謝野薫先生の講演会を希望の方は申込書を記入して名優さんに提出お願いします。本日はご苦労様でした。

発行者：　土田　岩瀨　高野

第86回 悠声会報告書

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