定例会報告

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第92回 悠声会報告書

開催日時 平成27年4月12日(日)13:10〜15:15

開催場所 東京都障碍者福祉会館 2階 教室
       リハビリは集会室Eにて実施

出 席 者  患者+家族同伴 言語聴覚士(亀井先生、金ア先生) アトスメディカル名優社の4名の方々   計50名

【司会鈴木理事】
 4月の通常の例会を始めさせて頂きます。いつもの様にまず土田会長のご挨拶と報告事項からお願いします。

1.【土田会長から挨拶と報告事項】

【土田会長】
 週喉頭全摘のツンクさんの報道が数日にわたりありました。我々のシャント発声の広報動をしておりますが、知名度と言う点ではまだまだだとがっかりもしました。その後6日に日テレ23時ニュース0とフジテレビの特ダネからの電話取材がありました。
これまでに今年の2月にTBSからの取材があり、昨年9月NHK Eテレの取材もありました。その時は喋れることが主体でその他の事が少なかった。食道発声とシャント発声の原理は同一ですが、食道発声は喉に入る少ない空気での発声とシャントは肺の空気を多量に利用して長い発声も出来る点等が違います。気管と食道が分離しているので発声以外にもうがいが出来ない、熱い物が食べられないそれはフーフー吹くことが出来ないから、また辛い物も食べられない、鼻をかむことも出来にくい等がありますが、これらはシャントではほとんど解消出来ることを知らしめて行きたいと思っております。
昨年山形県酒田市の本間市長が喉頭摘出後に電気喉頭(EL)での議会発言が聞き取り難いゆえに辞職勧告の動きがありました。悠声会としてもその動きに対して抗議文を出しました。その後に是非本間市長にお会いしたく打診しておりましたが、4月28日に市長に面会の機会が出来ましたので激励をしてシャントのフリーハンズをマスターされ喉頭摘出者として次の選挙にも出て全国の喉摘者へ元気が出る様に頑張って頂きたいと申し上げる積りです。

2.【会長から本日の見学者のご紹介】

【土田会長】
 本日の見学の方をご紹介します。まず 三田病院で昨年9月にプロヴォックスを入れられたIさんご夫妻です。

【Iさん夫人】 
 始めてこの会に参加させて頂いております。皆さんはスムースにお話しされますが、主人はとぎれとぎれの発声です。三田病院からも紹介されましたので見学に参りました。よろしくお願いします。

【土田会長】
 次は1月にも見学されましたが ご主人が患者のMさんです。

【Mさん】
 1月にも見学をさせて頂きまして今回が2回目です。イタリア人の主人が患者です。6月に手術をしてプロヴォックスを入れました。その後抗がん剤治療、放射線治療で元気が無かったのですが、大好きなタイに2ヶ月間旅行をして元気が出始めました。イタリアではシャントに関する情報がなく患者会も私の住んでいる州では有りません、ネットで悠声会のホームページを見つけて心強いです、今後ともよろしくお願いします。

【土田会長】
 次は慈恵医大で手術をされたSさんです。ご友人のHさんから一言お願いします。

【Hさん】
 悠声会の会員のSさんからご紹介されて見学に参りました。昨年5月に手術をして1年です。仕事の関係でいつもいっしょに居ります。喋りたい希望が本人にありますので希望に応えたく よろしくお願いします。

【土田会長】
 Aさんです。三田病院で手術を予定されております。娘さんから一言お願いします。

【Aさんの娘さん】
 始めての参加で見学させて頂きます。手術はこれからで術後とその為にどんな練習をするのか保守はどの様にするのか知りたくて見学させて頂きます。よろしくお願いします。

【土田会長】
 Tさん 日本赤十字看護大学大学院で学ばれております。

【Tさん】
 10年前に食道発声についてだけ勉強する機会がありました。これからは頭頚科での仕事を目指して勉強中ですので本日皆さんがどの様にされているのかを見学させて頂きたく参りました。よろしくお願いします。

【土田会長】
 次に株式会社メデイカルレビュー社から第1編集部のM次長とH主任のお二人です。山梨大学病院の増山教授のご紹介です。

【M次長】
 増山教授の講演会に参加してシャント発声を知りましたが、こんなに素晴らしい方法なのに世間的には知名度が無く是非とも患者さまにもお知らせしたいと増山先生にシャントの本を書いていただき出版する計画中です。皆さんの会を見学させて頂きたく参りました。

3.【各自の自己紹介・現状報告】

【岩P副会長】
 本日は見学の方も多いので私の略歴を紹介します。5年前に喉頭全摘の手術をして同時にプロヴォックスも入れて貰いました。約1月の入院、その後1週間程度の自宅療養で入院から40日後には通常勤務に戻り、3ヶ月後に株主総会で議長も務められました。私は、電気喉頭とか食道発声は全く経験しておりません。当時も今も全く変わりなく勤務しております。
 3月13日に山梨大のプロヴォックス患者会へ会長と二人で参加して参りました。大変に皆さまに喜ばれました。
 3月15日は鈴木理事と二人で大阪の患者会に参加して参りました。術後なるべく早く現役の方は仕事に復帰出来るのでシャント発声は時間も掛からず練習も余り必要ないので有効な手段だと思っております。

【口石理事】
 九州支部の支部長をやっております。福岡ですのでなかなか東京の例会には参加出来ておりませんが今後ともよろしくお願します。
 今年4月から悠声会九州支部として名称の変更をして頂き現在会員14名でやっております。
プロヴォックスに関して一番感謝しておりますのは喋れることです。定年退職後に再就職をして 次に第3の就職も出来ました。電話も出来、面接の時に上司からも喋れるのなら問題ないと採用されました。私は平成19年に同時にプロヴォックスも留置して貰いましたのですが、食道発声では時間が掛かるので電気喉頭(EL)で2年間頼っておりました。私の場合はすぐに声が出ず2年後にコリーナ博士のカウンセリングで一度声が出始めるとドンドン喋れる様になりました。それ以降は自由にコミニュケイションが出来る様になり日常生活に不自由は無くなり 声を取り戻して感謝しております。これからも皆さんと一緒に頑張って行きたいと思います。

【若月監事】
 10年前に単純喉摘で手術をして7年間は食道発声でしたが医師とも相談して3年前にプロヴォックスを入れる決断しこの様に喋れる様になり喜んでおります。食道発声ですとうるさい場所などでは話は出来ずシャントで大きな声が出る様になって嬉しかったです。
 今回のツンクさんの報道でまだまだシャント発声は知名度が無いと感じました、欧米並みに早くならねばと思います。

【鈴木理事】
 いつも進行役をしております鈴木です。1ヶ月前から声が出来にくくなって来ました。なぜか気管側から食道側へ空気が通りにくいので力を入れるとフリーハンズの隙間からピイーと雑音がでて困るので今は蓋が開かない様に閉じております。原因としては昨日も病院に行って相談したのですが分かりません。医師は元々癌の手術が専門なのでよく分からないとのことで 言語聴覚士の先生に相談する積りです。

【Nさん】
 新潟では「トキの会」という患者会を15名でやっております。私は元々東京に住んでおりましたので悠声会に入れて貰いました。新潟では今年度から人工鼻の日常生活用具認定が新潟市、胎内市、燕市で実現して支給されており、今後も皆で陳情活動をして行こうと思っております。

【Yさん】
 こんにちは、横浜から来ております、38歳です。私はプロヴォックス、フリーハンズ、ラリボタンで喋っております。私の場合は手術した後約2年間は寝た状態で食道発声を練習しましたが成果が出ませんでした。この会に入って当時の赤木先生に会って「案ずるより産むがやすしだよ」と言われて、福島先生に相談してプロヴォックスの手術を決断しました。術後翌日にはある程度は喋る事が出来ました。その後は皆さんから色々と助言を頂きました。
 その後仕事にも復帰出来、先輩と後輩にも会へ先輩からは「前のままのY君だ」と言われ、後輩からも喜ばれこちらももらい泣きしました。好きな英会話やサッカー観戦もしております。シャント発声にはメリット、デメリットありますが私にはメリットが大きく感謝の気持ちで一杯です。これまで応援頂いておりこれからは少しでも応援出来る様にたまにしか例会に参加しておりませんが声を掛けて行きたいと思います。

【Kさん】
 6年前にガンステージWで即手術で声を諦めて命を救う事としました。食道発声を医師から紹介され3ヶ月後に単音は出る様になりましたが、2年間毎週通いましたが名前とか「お早う」「こんにちは」程度しか喋れませんでした。
 ある時インターネットで悠声会を知り会長に会い皆さんの声を聞いてショックを受けました。色々と聞いてから医師にシャント発声を知っているかと聞くと知っているよとのことなぜ始めから教えてくれないのかと悶々としました。それで僕にもシャントの手術をしてくれと言い、プロヴォックスの手術をやって貰いました。術後に喋って見ろとのことで「河村和弘です」言うと看護師も医師も拍手して喜んでくれました。私は嬉しいやら腹立たしいやら複雑でした。

【Uさん】
 全摘の空腸移植が2年半前です。プロヴォックスを入れて1年です。1年半位は食道発声の練習をしておりアイウエオ程度でした。プロヴォックスを入れる前にインターネットで悠声会を見つけ見学して皆さんの声を聞いて勇気を貰いプロヴォックスを入れました。私の電話の声が聞こえているのか分からなかったのですが携帯電話の留守電に自分の声を入れて聞いたらと言われてやってみて伝わっていることを確認出来ました。皆さん同様に喋れる様になりたいと思っております。

【司会鈴木理事】
朝日新聞の科学医療部のI記者がお見えですので紹介します。一言お願いします。

【I記者】朝日新聞
 先日 土田会長とお話しをさせて頂き今日は皆さんの会の様子を見たくてお伺いしました。よろしくお願いします。

【土田会長】
 人工鼻の陳情の成果報告を忘れておりましたので 報告します。昨年は認定されている自治体が32ヶ所でしたが各自治体に我々悠声会や医療関係者の方、患者自身の陳情活動の結果、今年は20ヶ所の自治体が認定され合計で52ヶ所となりました。新潟県はトキの会の陳情活動もあり新潟市他3か所、北海道は旭川市、埼玉県はさいたま市、志木市等4か所、東京は大田区、葛飾区、愛媛県は西条市、岐阜市などです。特に山梨県は増山教授と前田言語聴覚士のご努力で10ヶ所も認定されました。これから先はこれまでよりも陳情活動が楽になるのではと期待しております。第6回総会議案書に纏めた資料を入れておりますので 皆さんがお分かりになると思います。

【木村監事】
 仕事の都合で遅れまして申し訳御座いません。私の場合は10年前に55歳でがんが見つかり 放射線治療ののち1年半で亜全摘、その半年後に全摘プロヴォックスを入れて8年になります。 
仕事をしておりますので 声帯を取るので声が出なくなる事は分かっておりました。食道発声のホームページでスピーチ大会のビデオがありましたがその方々が皆さん経験10年とか5年とかで私にはそんなに時間がかかっては仕事が待っていてくれない状況でした。ネットでシャント発声で上手に喋っているのと見つけ担当の主治医に聞くとシャント発声と言う方法で数名は実施しているという事でした
 私は有明病院で手術をしたので同時手術は出来ないとの事で3週間後にプロヴォックスを入れました。入れた後の月曜から仕事に復帰しました。それからアドヒーシブが剥がれたり、ボボイスプロテーゼが洩れたり苦労はしましたが、喋れる事は感謝です。東京医大八王子医療センターの様に事前に患者会を実施し、食道発声、EL、シャント発声と選べるようになれば良いのにと思っております。八王子医療センターでは経験者がそれぞれの発声法で喋って見せるので参考になり納得してもらえると思い悠声会メンバーとともに参加しております。

そのほかにも、出席者から活発な意見があり盛況のうちに3:15閉会した

以上

発行者: 土田義男 ・ 岩P俊男 ・ 高野茂