定例会報告

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第93回 悠声会報告書

開催日時 平成27年5月10日(日)13:00〜15:00

開催場所 東京都障碍者福祉会館 2階 教室
       リハビリは集会室Eにて実施

出 席 者  患者+家族同伴 栗原先生 金ア先生 アトスメディカル名優   計37名

【司会鈴木理事】
 5月の通常の例会を始めさせて頂きます。いつもの様にまず土田会長のご挨拶と報告事項からお願いします。

1.【土田会長から挨拶と報告事項】

【土田会長】
 こんにちは、皆様ご苦労様です。まず、報告事項から始めたいと思います。

報告事項
 来月6月14日の月例会の前に通常総会を予定しております。今年度は役員改選の年ですので これまで理事として活動されていた高野さん、嘉村さん、口石さんの三名が退任を希望され辞任の意志が強いので了承しました。その代わりに谷地さんが理事候補、監査役候補として長瀬さん、片岡さんにお願いしております。総会で承認後が正式ですがご紹介して置きます。
先月の例会翌日の4月13日から19日までニュージーランド研修旅行に13名で行って来ました。天候にも恵まれ良かったです。
4月22日のコリーナ博士のリハビリ講習会の時と同じ日にフリーハンズ教室がありそれに日経新聞の江口記者が取材に来られました。その時取材された記事が日経新聞の5月7日夕刊に出ております。
4月23日には新潟大学でコリーナ博士のリハビリ講演があり、私と若月監事を行って来ました。
4月28日は山形県酒田市市長の本間さんに激励の訪問を私と岩瀬副会長と若月監事とで行って来ました。本間市長は昨年喉頭摘出されて電気喉頭(EL)にて職場復帰をされましたが、聞き取り難いとのことで辞職勧告が野党側から出そうになり悠声会としてもこれは喉摘者に対する偏見と侮辱であると抗議文を送っておりました。その後にこの辞職勧告は消滅しました。今後も再選されて喉摘者の目標になる様にご活躍をお願いして来ました。
長年、苦慮して来ました認定NPO法人の申請がようやく認定されました。4月30日から平成32年4月29日までの5年間です。終了3ヶ月前から更新の手続きが出来ますので5年後に更新出来る様にしたいと思います。NPO法人は全国で50,000位ありますが認定NPO法人はたったの415法人とのことです。

2.【各自の自己紹介・現状報告】

【岩P副会長】
 会長からお話しのありましたニュージーランドへ私も同行しました。17日にオークランドの患者会と交流会をし、その時にはオーストラリアから言語聴覚士の方も参加されニュージーランドの患者さんは7〜8名でした。向こうにはフリーハンズの方は一人もいませんでしたので、日本の方が進んでいるのかなと感じました。ニュージーランドもオーストラリアもシャントが第一次選択肢だそうです。3年前にデンマーク、スウェーデンに行った時も同じで昔は食道発声もあったという程度でした。日本と違う点は言語聴覚士の先生がプロテーゼ(補装具プロヴォックス等)の交換をする点です。日本では医師が交換するのですが。
 4月27日のコリーナ博士のリハビリ会は2時からだったのでその前に1時から木村さんのフリーハンズ教室にもコリーナ博士も同席されました。博士はアトスの技術顧問でもあるのでアドヒーシブとかシャワーエイドの色を肌色に出来ないかなどの要望も我々からしました。
 4月28日に酒田市長の本田さんに面会しました。昨年9月に摘出手術をされて12月にELで職場復帰されました。議会に復帰してから聞き取り難いとのことで 辞職勧告が出そうになり、喉摘者への偏見と差別であるとの抗議がありこの勧告は沙汰やみになりました。3月は市長が職務で忙しく4月の面会となりました。応接室の前に我々を歓迎するボードが掲げられていて驚きました。11時から11時50分までELで明瞭なお話しが出来ました。シャント発声の事もご存知で医師の承認があれば福島先生にシャントにして貰いたいとのことでした。我々からも次回の選挙ではシャントのフリーハンズでやって欲しいとお願いしました。帰りはわざわざ市庁舎の玄関まで見送りをして頂き感激いたしました。

【高野理事】
 私はいわゆる食道発声で喋っております。この会は発声法に関係なく受け入れて頂けるのでお仲間に入れて頂いております。今後ともよろしくお願いします。

【若月監事】
 会長からお話しが有りました様に、4月はニュージーランド、新潟、酒田と回って充実した月でした。ニュージーランドではボイスプロテーゼがブロムシンガーが200名位、プロヴォックスが300名位とのことニュージーランドもオーストラリアも殆ど食道発声はやって居ないとのことが印象的でした。自然の綺麗ないい国でした。
 新潟のリハビリ大学のコリーナ博士の特別講義には会長が全般的なお話しをして私は体験談を少しお話ししました。3〜4年生の60名位の学生さんが参加しており我々の発声に強い興味を示されました。その後にコリーナ博士の授業がありその後でリハビリの指導にも皆さん興味を持って見て居られました。

【Yさん】
 プロヴォックスをいれて丸2年になり、当初は3ヶ月で交換しておりました、その後4ヶ月にしたら肉芽が出来10日間入院しました。喋れないと困るので3か月で交換しています、お金は多少掛かりますが保険が効くので助かります。体重も増えております。ニュージーランドの参加は体力が持つか心配しておりましたが、何とかなりました。自分の限界を超えてやる事も良いのかと思いました。景色も食事も良かったです。

【Sさん】
 12月にベガに変えてから 違いが自分にはよく分かりません。最近空気の通りが良いのか、以前より声が良く出ているねと仕事の同僚に言われて喜んでおります。

【Uさん】
 空腸移植ですが 最近空腸が元気で時々発声出来なくなります。会長は空腸が大人しくなって来ているとの事ですが、私の空腸も早く大人しくなって欲しい物です。
 先月コリーナ博士のリハビリを受けて声が振動して出ているので喉を軽く押さえて発声する様にしております。フリーハンズでも押さえております。押さえないと声が震えてちょっと聞きづらくなるので、少しずつですが練習して頑張ります。

【Kさん】
 今月の22日でプロヴォックスを付けて2年になります。私は入院中から発声練習が出来ました。私の主治医のY先生はもと有明病院にいたのでシャントを詳しく知っており、術後の発声法として食道発声は時間が掛かるとかELは電気的な声とかも教えて貰ったので私は発声し易いシャントにしました。2つ質問が有ります。@手術を受ける前に食道発声の話を聞きましたが、空調移植でも食道発声はできるのでしょうか?練習してもやはり難しいのでしょうか?A飲むのは好きなのですが ビールを飲むと発声が出来にくくなります。プロヴォックスの弁に泡などが付着して喋り難くなるのでしょうか?みなさんは如何ですか?

【Kさん】
 皆さんの様に上手にお話しは出来ません。5月初めに木村さんの事務所に伺ってシリコングルーとか両面テープの使い方を教えて頂きました。少しずつ練習をしておりますのでもうしばらくお待ち下さい。

【Hさん】
 さいたま市から来ております。プロヴォックスを入れてから2年2ヶ月経ちます。シャント発声法の方が近くに居らず進歩がなかなかはかどりませんが頑張ります。さいたま市から助成を受けられることになり助かりますありがとう御座いました。

【Hさん】
 先月、定年退職して体力を落とさない様に毎日10,000歩を歩く目標を先月例会の翌日に建てました。ニュージーランドに行った6泊7日の時も全てクリアーしました。不足の時は夜、歩きました。オークランドは最後の日でしたが坂の多い土地で体力を鍛えるには良かったです。今は1日に15,000歩位を目標にしております、以前は坂とか階段は苦しかったのですが この頃は大丈夫になりました。テレビで「階段は薬と思え」と言っていましたが現在実施しております。

【Mさん】
 今日冒頭に会長から認定NPO法人の認証が取れたとの事大変おめでとうございます。役所の書類は整っていないと通らないので大変だったと思います。これから悠声会は全国的に医療関係者にシャント法を啓蒙活動が大切だと思います。食道発声、電気喉頭、シャント法とそれぞれに長所短所があるのでそれを分からしめる必要があると思っております。私も病院に知り合いが居りますがアドヒーシブとかシャワーエイドなどはほとんど誰も知りません。今年は役員の改選時期とのことですので、役割分担して進めて頂きたく思います。

【Hさん】
 5月の連休に四国に4泊5日の一人旅に行って来ました。始めての四国で徳島に入りレンタカーで一周しました。四国は余り高速道路がないので非常に運転が疲れました。一日に150〜200q程度の運転でした。桂浜で坂本竜馬像と太平洋の大きさに感動しました。四国は魚が美味しくて居酒屋三昧して来ました。
 プロヴォックスを交換せずに1年2ヶ月経ちました、つばを良く切ったり痰を丁寧に取ったりうがいをしてプロヴォックスの弁の周りを綺麗にすると調子が良い様に思います。私の経験からその様に思っております。

【木村監事】
 今の悩みは体重の増加で5kg位は太りました。運動が嫌いで 早食いですから致し方ないかもしれません。ゴールデンウイークは一日だけ4人で新宿で一杯やりました。飲んだ後にカラオケで歌って楽しく過ごしました。喉頭を取ってから歌が歌えるのがこんなに楽しいのか始めて実感しました。これもこの病気になったから感じるので病気を受け入れて頑張るしかないと思いました。

【Tさん】
 日本赤十字看護大学大学院でガン専門看護師を目指して勉強中です。5年ほど有明病院におりましたので シャント発声は知っておりましたが内容は良く知りませんでした。皆さんの言われている様に医療関係者でもシャントについての知識は余りないのが実態です。食道発声と電気喉頭とシャント発声でそれぞれどの様にメリット・デメリットがあるのか等を調べて行きたいので今後皆さんにご協力をお願いする事があると思いますので その節はよろしくお願いします。

2.【質疑応答、その他】

【土田会長】
先ほどKさんからのご質問に回答します。

@
空腸移植でも食道発声が出来るか?ですが、確かに出来る様になる方も居られます。でもやはり再建の方は難しいのが実態です。それで癌研有明病院でも単純喉摘の方には食道発声を勧めていますが再建の方はシャントが良いのではと思います。なお、食道発声で世間で通用する程度に発声出来る方は20%程度です。12年前は空腸移植の患者は喉摘患者の20%程度でしたが今は半々程度に増えております。
A
ビールの件ですが 川島さんの言われる様にビールは泡が溜まるのでプロヴォックスの弁に影響があると思われます。泡の少ない発泡酒の方が泡は溜まり難く良いと個人的には思います。

 来月の通常総会議案書は20日には出来上がるので 21,22日ごろには皆さんに郵送する予定です。大体いつも例会に参加されておられる方には委任状は同封しないで議案書のみの郵送にする積りですのでご承知置き願います。

以上

発行者: 土田義男 ・ 岩P俊男 ・ 高野茂